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若手ビジネス職座談会

中山 椋子

情報サービスユニット
2017年入社
文学部卒

池田 早紀

メディアビジネス部門
広告コミュニケーションユニット
(2024年4月より日経ヨーロッパ社)
2018年入社
商学部卒

干場 康秀

ライフアンドキャリア部門
教育事業ユニット
2022年入社
人間科学研究科 人間科学専攻 修了

THEME_01

日経を志望した理由は?

新聞社の強みを活かしたビジネスができる

干場 康秀

干場私は大学院で合理的な教育や勉強方法について研究していましたが、教育関係の仕事にそこまでこだわりはなくて、どちらかというと広く浅く就職活動をしていました。そのときに別の新聞社で開催されていたビジネス職のインターンシップに参加したのがきっかけで新聞社に興味を持ちました。

中山 椋子

中山その会社、私も行きましたよ。

干場 康秀

干場そうなんですね。新聞社というと記者のイメージが強いですが、良い意味で覆されました。その中で日経を志望したのは、他紙と比較して中立性が高いことや、「日経テレコン」や「日経ビジネススクール」といった記事だけにとどまらない情報を発信することで、多くの人の意思決定の手助けができると考えたからです。

中山 椋子

中山私は文学部でしたが、大学にメディアの研究所があってメディアに関する勉強をしていたのがきっかけですね。周囲はメディア志望の方ばかりだったので自然な流れでした。

池田 早紀

池田日経を選んだのはどうしてですか?

中山 椋子

中山どの企業を受けるにしてもESに志望動機を書きますよね。特に新聞社のようなメディア業界だと、学生が思いつくことなんて夢のようなことばかり。実際に面接では「それができたらいいよね」という扱いを受けることもありましたし。そんな中、日経新聞の面接官は「この観点ではどう考える?」「こんな課題があるけどどう対応すればいいと思う?」と真正面から受け止めてくれたからです。自分が何かやりたいと声を挙げたときに、「どうしたら実現できるか一緒に考えてくれる人のいる会社が良いな」と考えたのが決め手でした。

池田 早紀

池田私はお二人とは違ってメディア業界にそんなに興味がありませんでした。商学部で国際経営のゼミに所属してグローバル企業の経営戦略やマーケティングについて勉強していましたが、日本経済新聞やNikkei Asiaのデータベースを用いる機会が多くて身近に感じたのがきっかけで、記者職のインターンシップに参加しました。

中山 椋子

中山日経の?

池田 早紀

池田はい。「一度受けてみようかな」くらいの軽い感じでしたが、そこでお会いした社員の方々の温和な雰囲気がすごくいいなという印象を受けました。また、事業会社ではない立場で経済や社会を広く見ることができる新聞社という業態に魅力を感じたのが入社の理由です。

干場 康秀

干場どんな人が働いているのかはとても大事ですよね。1日8時間くらい仕事する中で、一緒に働く人が自分と合わなかったらしんどいですし。私の就活は、最終面接以外はオンラインでしたので面接時間が短かったんですが、的確なポイントをついてくる質問が多くて、「経済を扱う会社なのでやっぱり効率性を求めているんだな」と思っていました。

中山 椋子

中山それって入社してみるとわかりますが、みんなで決めたことをどんどん進めていく風土だからですよね。「日常のノリなんだ」ってすぐ理解できますよ、笑顔で話しているし(笑)。

干場 康秀

干場新聞紙の部数が減っているためメディアは斜陽産業とか言われていますが、就職活動時は気になりました?

中山 椋子

中山ちょうど私が就職活動していたときは、誤報問題などでメディアの在り方が世間に注目されていた時期。「これからメディアはどうなるのだろう?」と私も思っていましたが、一方で新聞社の取材力やコンテンツ力に関してはSNSや他のメディアなどに比べても強いので、それだけの価値はあると感じていました。そういった強みを活かせる仕事ができたら面白いんじゃないかって前向きに感じていましたよ。

池田 早紀

池田私はメディアの勉強をしていたわけではないので個人的な肌感覚ですけど、「いろいろと叩かれたり批判されるのは、逆にそれだけ影響力があるからなんだ」と思っていましたね。それとニュースメディアは増えていますが、一次情報をしっかり追いかけられるのは新聞社の強み。アウトプットが紙なので斜陽産業としてネガティブに捉えられますが、媒体はどうであれ取材力という根幹が崩れないかぎりは影響力を持ち続けていくんだろうなって。

干場 康秀

干場私もお二人と似たような考えでした。SNSをはじめ自分に最適化された情報が溢れていますが、偏っている情報が多い中で信頼のおけるメディアとして正しい情報や質の高い情報の発信源としてこれからも残り続けるし、大事だなと思っていましたから。

中山 椋子

中山ただ、入社前後のギャップで言えば「職種のデパート」と聞いていた通り、部局によってまるで違う会社のように様々な仕事があること。雰囲気もまったく違うなというのが驚きでしたね。

池田 早紀

池田私が感じたのは、「知的で温厚な人が多い」という社員に関するイメージは入社前から変わっておらず、若手でも自由闊達に意見や企画を立てて形にすることができる環境であることは良い意味のギャップでした。一方で、組織間で知見やノウハウの共有がなされにくい点は改善の余地があると感じていますね。

THEME_02

ビジネス職の仕事とは?

大切なのはメディアとしての信頼性

干場 康秀

干場私は、「日経ビジネススクール」の社会人講座の企画・運営を担当していて、経営戦略や行動経済学といった社会人の業務やキャリアと関連性の深い分野の講義を企画して運営までを行っています。入社前は「どこに配属されてもいいかな」というマインドでしたが、蓋を開けてみたら教育事業ユニットだったので、自分が学んでいたことと関連性のある部署に配属してもらって良かったです。

池田 早紀

池田私は先ほども言ったように記者のインターンシップを受けていましたが、法人営業に興味を持ち、メディアビジネスを志望しました。グローバル事業にも関心がありましたが、まずは広告やイベントの仕事を勉強する意味合いもあってメディアビジネス部門になりました。現在は、広告営業担当として金融分野のお客さまのブランディングやマーケティング課題を解決するためのソリューションを提案して、売上増を目指すのがミッションです。

中山 椋子

中山私は、大学でたまたま新聞記者の方の授業を受けて、紹介されて地方局で実際に記事を書いたことがあったんですよ。

池田 早紀

池田え?いつ頃ですか?

中山 椋子

中山大学3年の夏。記事を書けたのは感動的でしたが1日に書ける記事は1本か2本が限度。そうすると自分が働いている40〜50年の間に出せる記事はそんなに多くはないんじゃないかと思って。それなら100人に読んでもらうより1,000人に読んでもらえる仕組みをつくるほうが影響力は大きいと考えてビジネス職を選びました。ただ、これは建前で、本音を言うと記者の仕事は体力的に無理かもって(笑)。入社して最初に配属されたのは販売局でした。その後、3年目を過ぎた頃に本人の希望で異動申請が出せる「キャリアチャレンジ制度」が創設されて、希望して現在の情報サービスユニットに異動しました。

池田 早紀

池田どんな仕事をされているんですか?

中山 椋子

中山これまでに日本経済新聞が蓄積した過去記事のデータを検索できるようにしたのが「日経テレコン」。このような記事や企業データ、業界情報、人事情報など様々なコンテンツを法人向けに営業しています。新聞というと朝夕刊や電子版に記載した記事を読んでもらうのがメインですが、日本経済新聞のコンテンツは特性上「ビジネスに活かしたい」という要望が多いので、そのようなお客さまに向けて提案しています。

池田 早紀

池田それこそ日経テレコンは学生時代に使っていました。

中山 椋子

中山日経は自分たちでコンテンツをつくっている企業なので、著作権者として独自性を活かした提案ができるのは面白いですよ。ユニット内にエンジニアもいますので、機能改善や開発検討を二人三脚でできるのも楽しいです。ただ、コンテンツビジネスの在り方が大きく変わろうとしている時代の中で仕事を進めるのは悩むことも多いですが。それも含めて自分の手がけた仕事が新しいビジネスを形づくる「ピース」になるかもしれないと思うとわくわくしています。

干場 康秀

干場私が面白いと感じているのは、企画開発から運営まで携われること。講座の開発にしても、大学の教授などと交渉して自分なりに意見をぶつけて講座の内容を詰めていき、募集にも関わらせてもらっています。受講者の方から反応をいただけるのも他の仕事にはないやりがいです。自分が企画を始めた講座に多数の申込があり、現場運営まで終了したときはかなりの達成感があります。

池田 早紀

池田メディアビジネスは、「媒体社の広告営業」であることが仕事の面白さの一つです。新聞や電子版に掲載される広告は、記事と同じように日経読者に伝わる重要な情報。そのため、「この広告は日経読者や社会に対してどのようなインパクトを与えるのか?」を常に考えながらクライアントと向き合うようにしています。

中山 椋子

中山私の仕事なら、最近、日経の記事データを生成AIで利用してみたいというお問い合わせを受けるのですが、生成AIは事実と異なる回答を出力すること(ハルシネーション)もあります。業務を効率化したいというお客様のご要望と報道機関としての正確性との間で、一定の線引きをした上でビジネスをつくっていけないかと思っています。日経としての信頼性は大切ですよね。

干場 康秀

干場私の仕事でも、「日経のコンテンツなら間違いない」と受講されている方がほとんどです。講座の内容があまり良くなかったりすると受講者の期待を裏切る結果になり、結果的に日経に対する期待を裏切ることにつながります。そのため、「日経新聞の名に恥じないものをしっかりつくっていこう」と気を付けていますね。

THEME_03

今後のサービスはどうなる?

もっともっと部門を超えた連携を

中山答えはまだ出ていないですけど、やっぱり根幹にある「コンテンツでお客様の意思決定を支援する」「コンテンツをもとにお客さまの課題解決をする」というスタンスは変わらない気がします。ただ、課題解決の方法は進化するのかもしれませんが。

池田メディアビジネスの場合、これまでは各営業担当が企画書作成から提案まで実施していましたが、営業推進やインナーセールスを担う部署ができるなど、営業体制は変化してきています。今後は日経ID情報をより活用した広告メニューの開発や、クライアントのニーズが高まりつつある動画コンテンツの制作にも力を入れていきます。そのためには、社員へのリスキリング支援や人員体制の強化は欠かせなくなってくると考えています。

干場 康秀

干場私の仕事も、将来的には生成AIをどんどん活用するかもしれないです。例えば、講座の先生と生成AIで意見を交わしてもらい、先生の持っている情報をAIに組み込んで受講生の質問にAIが回答できるようにするとか。もう一つが、漠然と講座を受講したいと悩んでいる人に対して、おすすめの講座を紹介するサービスも社内で少し検討したりしていました。

池田 早紀

池田え、もうしているの?

干場 康秀

干場チャットボットみたいなもので、ごく簡単なものを一部の人が試したりしています。「悩んでいることは何ですか?」と質問して、悩みを言われたらどんどん深掘り、解決したいワードが出てきたらそれに合った講座を紹介するみたいな仕組みです。このように、これからは業務の最適化や受講者にとって便利なサービスとは何かを考えていくのかなと思っています。

中山 椋子

中山おすすめの講座に紐づけるんですね。

干場 康秀

干場はい。講師のAI化はまだ実現できていませんが、将来的には24時間いつでも質問できるようになれば受講者は時間や場所を問わずに勉強できるようになりますので。

池田 早紀

池田面白そう。

干場 康秀

干場これから新聞紙の売上は減るかもしれませんが、今の教育事業でもまだまだ規模を大きくできるはずですし、できることもたくさんあると思っています。新聞そのものは電子版とかに代替されたとしても、それ以外の事業を成長させていくことで、新聞社という形は残しつつもこれまでにないサービスが展開されれば会社全体としても成長できますよね。

池田 早紀

池田「成長できる」というよりも、「成長していかなくてはいけない」という思いを持っています。広告営業一つとっても、これまでと同様の営業スタイルですとそれなりの成長しか望めません。日経は意外とセクショナリズムなところがあると感じています。部門の壁を壊して連携していくことで、日経グループの様々なリソースを活用した提案ができ、クライアントのニーズに応えることができると考えています。

中山 椋子

中山「成長していかなくてはいけない」というのは確かにそうですね。私が今の部署に配属されたきっかけもキャリアチャレンジ制度ができたから。逆に、その制度がないときは基本的には異動を希望する手段がなくて、最初に配属された部署の中だけで生きていく感じでした。今の情報サービスユニットには広告から来た人や、私みたいに販売から来た人などたくさんいますよ。

干場 康秀

干場教育事業もなかなか外に出るキャリアパスがなかったのですが、異動を伴う人材育成プログラムとして「データ活用リーダー養成プログラム(DELTA)」という留学制度が始まりました。社内公募によってデジタルの部署で2年間修行を積み、また同じ部署に戻って知見や経験・人脈を活かして仕事をするという制度です。

中山 椋子

中山やっぱり違う文化で育ってきた人たちが集まると、それぞれのマインドの良いとこ取りができますからね。

池田 早紀

池田ただ、自ら希望しないとずっと変わらないですよね。サーモンプロジェクトやキャリアチャレンジ制度も自分で手を挙げる必要があります。就活生の目線で言うと、入社してゴールではなく、やりたいことをある程度持ちながら働くのが大事ですね。簡単に部署を異動できるわけではないので、自分の中で「これがやりたい」というものがあって、それをしっかり伝えていけば勉強できる機会を与えてくれるはずです。

THEME_04

日経の働く環境は?

自ら考えて動くことが成長につながる

干場 康秀

干場日経の職場環境はすごくフラットに感じています。上司の髪色が明るめだったり、時間や場所も割とフレキシブルで、出社する人もいればずっと在宅勤務の方もいます。そんな中、「いかに仕事に取り組んでいるか?」を大事にしているので、自分の興味・関心からアイデアを膨らませて実現に向けて行動するなど意欲的な方が多いです

中山フラットはその通りですよね。上司や先輩でもあっても気軽に会話できますし。ただ、よくある「成長させてくれる会社」ではないかなと感じています。「自分でこれやりたいです」「これってどう思いますか」とった感じで主体的に質問したら「こうした方がいいよ」「じゃあ一緒にやろうか」と言ってくれる人ばかりですけど、受身の態度でいると成長できずそのままになっちゃう。

池田 早紀

池田メディアビジネスは完全にOJTなんですよ。もちろんゼロベースの新人については最初に教えてくれますが、ある程度教えてもらったら工夫するのはその人次第。それよりもっと上になると誰も教えてくれないので、自分からキャッチアップしていく意欲のない人は成長できないかなって。

干場私も基本的にはOJTでしたが、上司の方に育成プランを組んでいただき、競合となる企業を調べて発表したり、新規講座プランを考える機会がありました。分からないことがあればすぐに教えてもらえたので、働く上で抑えておくべきポイントや仕事の進め方を学べました。

池田 早紀

池田メディアビジネスの場合、配属後2週間程度様々な部門の方から業務内容のレクチャーを受けますが、正直そこで学ぶことは半分くらい忘れてしまいます(笑)。やはり研修って完全に受け身なんですよね。実際自分で考えてみて分からないことがあったら質問するという姿勢が大切ですね。

中山私の部局は営業、コンテンツ、企画開発の3部門で構成されているんです。お客様対応は営業部門だけで完結しないことが多いので、とにかくいろんな方々に積極的に質問する姿勢が大事です。

干場どんな人が向いていると思います?

中山今の部署には、めっちゃ頭がいい人もいれば、大丈夫?という人もいて(笑)。…愛嬌というか、決して見放されるタイプではなくて、「大丈夫か?」と愛されるタイプだったりとか、面白い人とかいろんな人がいますよ。だから、誰でもやる気さえあればみんな迎えて入れてくれるんじゃないかなあ。

池田 早紀

池田私はコミュニケーション能力です。メディアビジネスはクライアントや広告代理店、制作会社など外部の方とのやりとりが多い部署なので、関係者間の利害関係を整理しつつ、仕事を前に進めていく必要があります。また、入社年次に関わらず、分からないことを人に聞いたり、分かる人に頼る姿勢を持つことも重要ですね。

干場私もコミュニケーション力が大事だと思っています。それとお二人が言うように、まず考えて自分の意見をつくることも大切だと考えています。自分なりに考え、発信することが周囲からの信頼にもつながりますし、新しい業務も引き寄せられますので。

池田 早紀

池田今後のキャリアについてどう考えています?

干場私は、ゼネラリストを目指しています。自分の才能がどこにあるのか今はまだわかりませんが、将来の選択肢を増やしていくためにまったく違う分野にも挑戦していきたいです。皆さんは?

池田 早紀

池田私は入社してからずっと部署が変わらなくて、入社3年目ぐらいまでは仕事を覚えることに精一杯で自分の選択肢を考える余裕がなかったけど、最近ようやく「どんなキャリアを描いていこうかな」と考えられるようになりました。もともとグローバルにも関心があったので、今はNikkei Asiaの媒体やグローバルイベントなどを営業するグループを兼務させてもらっています。海外事業にも興味があるので、ゆくゆくは海外でのプロジェクトやイベントに携わるためにも広告局だけでは学べない、いろんなイベントの手法を学んで見聞を広めていきたいと考えていますね。

中山今は情報サービスユニットで営業をしていますけど、営業って何を売るかは違ったとしても、やること自体は変わらない気がします。特に、お客さまが何をしたいか深掘りすることや、お客さまが気付けていないところを探して掘り当てていく作業は一緒。なので、そういうスキルを磨いていけば、もう少し広い領域の営業ができるかなと考えています。もう一つが、日経はデータビジネスという側面も強いので、データとしての記事情報について、人間が目で見るだけではなくてAIや機械がインサイトを見つけたりするのはこれから増えるはずです。著作権者として上手く折り合いをつけられれば、その先に面白いことがあるかなと考えています。コンテンツも新聞記事以外に企業や業界情報、人事異動情報などもありますし、その多様性を活かせる面白さがありますね。

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