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若手エンジニア座談会

小林 哲也

プラットフォーム推進室
2022年入社
情報科学研究科
コンピュータサイエンス専攻 修了

山田 健太

日経イノベーション・ラボ 兼
デジタル編成ユニット
2021年入社
基幹理工学研究 情報理工学専攻 修了

永山 瑞生

サブスプリクション事業
デジタル編成ユニット 兼 技術戦略ユニット
2021年入社
先進理工学研究科 電気・情報生命専攻 修了

THEME_01

日経を志望した理由は?

「日経=記者」だけじゃない

小林 哲也

小林メディアを志望したきっかけは、院生のときに参加したIT企業のインターンシップ。短期間でしたが実際にメディアを開発させてもらい、それから「メディア×エンジニア」に興味を持つようになりました。日経を志望したのは、新聞業界でいち早くデジタルに対応しているので自分の専門を活かせると考えたからです。日本最大の経済情報メディアとして重要な社会インフラを担っているところにも惹かれましたね。

山田 健太

山田日経のインターンシップは参加しなかったの?
【参照:https://hack.nikkei.com

小林 哲也

小林内定をもらった後にインターンシップに参加させてもらいました。短期間でしたけど。

永山 瑞生

永山私のきっかけはWeb開発のアルバイトです。「Webサイトをつくるのって楽しいな」と思っていたら、たまたま研究室の先輩が日経の短期インターンシップを紹介してくれたので参加を決めました。それから長期インターンシップを始めて…1年半くらいかな?で、そのまま入社しました。

山田 健太

山田僕が日経のインターンシップに参加したのは大学2年かな。その前は某新聞社のインターンシップで選挙前の世論調査を担当していたんですが、あまりにも忙しすぎて辞めました。そこで別のインターンシップ先を探していたところ日経が募集しているのを見つけたんです。

小林 哲也

小林ずっと新聞社を希望していたんですか?

山田 健太

山田いや、全然ですね。データ分析ができて賃金のいいインターンシップ先を探していたら新聞社だったという(笑)。日経では好きなことをやらせてもらえましたね。

永山 瑞生

永山私の場合、インターンシップを始めた当初は特に希望がなかったんですが、「それならAPIを開発してみない?」と声をかけてくださって。やったことがなかったので勉強しながらでしたが、インターンシップ中に自分が開発したものが成果物としてプロダクトに載るというのが衝撃でした。

小林 哲也

小林僕も、日経のインターンシップで「何やりたい?」と聞かれましたよ。もともとデータエンジニアリングに興味があると伝えたところ、いくつかテーマをピックアップしていただいて、その中から自分がやりたいことを決めて取り組ませてもらいましたね。

山田 健太

山田インターンシップと実際の業務って、やっていることがあまり変わらないよね、永山さんはそのまま日経に決めたの?

永山 瑞生

永山ほかの会社も一応見ましたが、やっぱり日経が良かったかなって。中でも、一番の理由はエンジニアとしての裁量が大きいと感じたこと。まだ、自分がフロントエンドとバックエンドのどちらをやりたいか定まっていなかったので、「あなたはこのプロダクトのバックエンド担当ね」と仕事を決められてしまうことに不安がありました。その点、日経は私の希望を尊重して配属先を決めてくれたり、興味のある仕事を選べることができそうと感じて入社を決めました。山田さんもそのまま入社?

山田 健太

山田僕は日経でインターンシップをしつつ、別のIT企業でインターンシップ生として研究開発していたんです。それと大手機械メーカーの研究所で研究員としてマルチエージェントシミュレーションの開発も。

小林 哲也

小林そんなに?忙しくなかったですか?

山田 健太

山田忙しかったですよ、大学院の研究もあったので。

永山 瑞生

永山就職先は悩みませんでした?

山田 健太

山田悩みましたね。大学院や研究所の研究員としてキャリアを歩むか、事業会社で働くか。IT企業の研究開発も面白かったので。

小林 哲也

小林日経を選んだ理由は?

山田 健太

山田賃金面(笑)。それとやっぱり日経は裁量が大きくてやりたいことをやらせてくれるからですね。

小林 哲也

小林そういえば、日経に就職が決まったと研究室の教授に伝えたら、「記者になるの?」と言われたんです。そういう意味では、日経のエンジニアって一般の人から見たら意外な職種だと思われているのかなって。

山田 健太

山田うちの親もびっくりしていたよ。「あんた、記者になるの?」って。3回ぐらい説明しても言われたからね(笑)

THEME_02

現在の業務は?

大切なのは一歩先を見ること

小林 哲也

小林僕が担当しているのは日経IDの認証認可基盤システムの開発です。もともと外部の協力会社が開発していましたが、迅速な開発を推進するために社内で開発しようと2019年から始まったプロジェクトです。僕も途中からこのチームに参加して2023年春頃にリリースしました。現在は、ラウンジの刷新や教育機関向けの日経ID、ソーシャルログインやパスキーといったほかの認証手段の開発を進めています。

山田 健太

山田「日経melissa」だよね。ホームページにも載っている…。
【参照:https://speakerdeck.com/nikkei_engineer_recruiting/nikkeiid-authlete

小林 哲也

小林はい、興味のある方はインターネットに詳しく書いてあるのでぜひご覧いただければと。

永山 瑞生

永山私は、主にiPhoneの日経電子版アプリの開発をしています。機能開発はもちろん、バグの修正やリファクタリング、チーム開発をスムーズにするための改善活動のほか、「こんな機能を開発したらどうでしょう」とエンジニア目線での施策提案も行っています。それと、学生向けのインターンシップの運営にも携わっていますね。

山田 健太

山田僕が所属している「日経イノベーション・ラボ」は、2017年に設立された社長直轄の研究開発機関。新聞社のR&D組織ということで自然言語処理や表現まわりの研究が盛んですね。個人的には画像や動画からオブジェクトを検知・分類するAIモデルをつくってビジネスに活かせないかといった実証実験や、記者の方と協力してAI系の報道に関わることもありますね。

小林 哲也

小林いろいろやっていますね。

山田 健太

山田表現まわりの仕事であれば、自動生成AIで日経のコンテンツを使ったアニメーションや音楽をつくり、それらを日経が主催するイベントに展示するとか。最近の仕事であれば、海外で開催された能舞台かな。能の内容は日本人でも分かりにくいですよね。そこで、AIを使ってストーリーを分かりやすくアニメーション化し、外国人の観客でも理解できるようにしたんですよ。

永山 瑞生

永山どれくらいの期間でつくったんですか?

山田 健太

山田すごく頑張って2週間。さすがに全部を自動化することはできず、半分くらいは自分でつくった気がする(笑)。でも、それも含めた実証実験なんです。どれだけ自分が苦労したとか、どれくらい予算がかかったとか、実証するために一回やってみたんです。

永山 瑞生

永山自由度が高いですね。

山田 健太

山田もう一つ、データサイエンス的な業務として今後の事業がどのように伸びていくか、PythonやSQLなどを使った簡単なデータ集計や事業シミュレーションも担当していますね。

小林 哲也

小林仕事で心がけていることってなんですか?

山田 健太

山田近視眼的になりすぎないようにすること。最新技術やトレンドを追いかけるのも重要ですけど、今のトレンドに乗りすぎると先のことが見えなくなってしまうので、一歩先を研究するようにしています。じゃないとすぐに古くなっちゃうので。常に先は見ながらも、「これだ!」と思ったら最新のうちにやってみることですね。小林さんは?

小林 哲也

小林僕がいる日経IDの開発チームは10人ほどの規模なのでコミュニケーションがとても大事なんです。全員リモートで仕事していることもあって、コミュニケーションをしっかり取れるような仕組みをつくっていくことですね。もちろん、「文書化する」「ルール化する」といった仕組みづくりはリーダーやプロジェクトマネージャーが意識してくれていますが、エンジニアの僕たちからもしっかりと声を挙げて進めていきましょうと。

山田 健太

山田基盤づくりはチームでする仕事だからね。

小林 哲也

小林はい。専門的な話をすると「スクラム開発」ですね。期間内にやることを決めて、一定期間が過ぎるとレビューで振り返ります。それがフィードバックでもあり、メンバーやチームの成果に対する見える化にもなりますので。

永山 瑞生

永山スクラム開発はうちのチームもやっていますよ。「この期間内に終わらせよう」という目標ができるので、すごく取り組みやすいですね。

小林 哲也

小林もう一つがドキュメント化、いわゆる文書化です。文書化して残しておくのはリモート開発では重要なので。機能を実装する前にDesign Docsをつくり、「この方針で行きましょう」とチームで合意してから取り掛かっています。

永山 瑞生

永山うちのチームだとドキュメントが足りていないので、ドキュメントを増やす取り組みをしています。

小林 哲也

小林コストや時間がかかりますからね。

山田 健太

山田永山さんが心がけているのは?

永山 瑞生

永山報道機関なので読者にニュースが伝えられなくなるのは絶対に避けなければならないですよね。私の仕事であれば「サーバーは正常だけどアプリ側でバグがあって見られない」という事態を無くすことです。自分が書くプログラムのコードは気をつけていますし、チーム内で書いたコードをレビューする仕組みがあるんですが、そのレビューもかならず確認しています。それとユーザーがアプリ内で書いたご意見が配信されるチャネルがあるんですが、そこに書かれた不具合のご指摘を見落とさないように気をつけています。

山田 健太

山田僕もたまに見ていますよ。

永山 瑞生

永山日経の読者は親切な方ばかり。辛辣なご意見はほとんどなく、「この記事が見られません」とご指摘いただけることが多いですよね。ニュースの内容に関するご意見も多くいただきますが。

THEME_03

日経で働く面白さとは?

デジタルで世の中を盛り上げる

山田 健太

山田日経のエンジニアとしての魅力は…やっぱり裁量の大きさかな。自分自身で考えて行動できる自由度の高さ。自らのアイデアや判断でプロジェクトを推進できる機会が豊富にあることですね。それと、いろんな部署の方とコラボレーションできるのがすごく面白いです。記者の方から「AIに関する記事が書きたいから協力してくれない?」と声がかかるとか。

永山 瑞生

永山生成AIに関する記事もありましたね。

山田 健太

山田一般に使える画像生成AIは2023年の夏頃に流行りだしたんだけど、仕組みを誤解している人が多くて、「その仕組みをちゃんと報道したい」という記者から声をかけてもらい、一緒に論文を照らし合わせながらわかりやすく書き直したんです。

永山 瑞生

永山私のやりがいは、アプリというユーザーが直に触るものを開発しているので、たくさんのユーザーに使ってもらえることですね。

山田 健太

山田日経電子版単体だと会員数が約100万人もいるからね。

永山 瑞生

永山新機能をリリースした後に、どれくらいの人が使っているか、どう使っているかを計測ログから確認できるのも楽しいです。

小林 哲也

小林規模の大きさは魅力ですよね。僕が担当している日経IDは会員数が1,100万人以上、有料会員数は100万人を超えるシステムなので、日経の屋台骨というか一番下の土台になる仕組み。これ、世界のメディアの中で5位となる規模の仕組みだそうです。そう聞くとすごい規模を扱っているし、経済情報メディアは社会インフラの一つ。そんな社会的責任が大きなシステムの開発に携われるのはなかなか経験できないですよね。

山田 健太

山田日経IDは入り口でもあるしね。

小林 哲也

小林システム障害でログインできないと影響はとても大きいですから。責任もそれだけ大きくなりますが、成果を出せばエンジニアとしての自信や実績につながります。それと、すぐに新しい技術を取り入れてくれる仕組みがあること。「GitHub Copilot」という生成AIがコードを書くという最新のサービスがあるんですが、導入してほしいとボトムアップで声を挙げたらすぐに導入してもらいました。実際に「開発効率が30%ほど上がった」というアンケートも出ています。

永山 瑞生

永山アプリチームもこれから積極的に使っていく予定ですよ。

山田 健太

山田Notionの導入もその一つだよね。

小林 哲也

小林はい、もともとメモアプリみたいなものはありましたがNotionもどんどん活用しています。

山田 健太

山田個人的には、日経のデジタルに対するこだわりは金額面に表れていると思っているんですよ。他紙は紙と比べてデジタル版の価格を安くしているけど、日経はほぼ同じ価格。そこはプライドというか、「同じクオリティのものを提供している」という強気な姿勢が表れている気がしますね。しかもちゃんとユーザーにも受け入れられているので、それこそがデジタルに力を入れた成果なんじゃないかな。

永山 瑞生

永山本当にそうですね。社長も「これからはデジタルで盛り上げていかなきゃいけないんだ」と言っていますし。ただ、私はアプリを担当していますが、10年、20年後はみんながスマホを持っているかわからないと思っているんです。技術や製品がいろいろと変わってきていますし、Appleも「Vision Pro」というゴーグルのようなデバイスを出しているので。もしかしたら、今後はみんな眼鏡をつけて生活しているかもしれないですよね。

山田 健太

山田確かにエンジニアの仕事は変わっていくでしょうね。記者が文章を書いたり写真を撮ったりするのは変わらないと思うけど、それをどんな形で世の中に出していくのかは結構変わるはず。今は紙、アプリ、Webサイトで展開しているけど、それが維持されるかもしれないし、無くなるかもしれないし、ほかにもいろんな形態が増えるかもしれない。そうするとエンジニアが扱う技術も変わっていくんじゃないかな。

永山 瑞生

永山今はみんなが動画を視聴するようになって、コロナ禍で「音で聞く」ようになった人も多くなりましたよね。日経もそのような世の中の変化に追従していかなきゃいけないですよね。

山田 健太

山田むしろ遅いぐらいかもしれない。今は文章という低次元の情報サービスをしているけど、もっと映像化とかいろんなメディア形態にシフトしていかないと。「人の時間をどれだけ自分たちのサービスに使ってもらえるか」という時代になっていて、それこそ若者はYouTubeとかTikTok、Instagramなど、情報量が多いものを短時間で習得している世代。情報サービスとしてマルチメディアに対応していかないと若者は振り向いてくれないんだろうなって思っていますね。個人的な考えかもしれないですけど。

THEME_04

日経のエンジニアとは?

能動的な人は成長できる

永山 瑞生

永山私、最近になって時間配分が難しいと感じているんですよ。ほかのチームから「こんな開発をしてほしい」とたくさんの要望が降りてくる中で、自分たちがやりたい改善活動もありますし、新しい分野の勉強や技術へのキャッチアップなどやりたいことが尽きません。時間は有限なのでどう時間配分していくか悩んでいて。

小林 哲也

小林会社からはエンジニアは業務のうち10〜20%は自己研鑽を積むために使っていいと言われていますよね。

山田 健太

山田もちろんそれは理想的だけど、現実的にどうなんでしょうね。

小林 哲也

小林そういう風にシフトしていくはずなので、その分の業務調整がされるのかもしれないですね。僕のチームは労働環境に関してはこれ以上ないホワイトです。

山田 健太

山田本当?

小林 哲也

小林うちのチームはそうですね。残業はほとんどないし、エンジニアとしてはこれ以上ない環境です。ただ、業務内容に関していうと「認証認可基盤の開発」という専門的な領域に特化しているので、そのほかの分野を学ぶ機会が少ないのが悩みです。それと、生成AIがコードを書いてくれる時代になっているので、だんだんと作業が無くなっていく時代になるはずです。そうするとエンジニアリングはより上流に携わらなければならないですし、それこそ生成AIをつくる側になる仕事になるのではないかなと。そういう意味でも、ビジネス側の知識も得たいと思っていて、どうしたら機会が得られるか考えています。

山田 健太

山田そうなるかもしれないよね。生成AIをつくる側になるには大量のコストがかかるので厳しいものがあるけど、生成AIをどう利用するか、どのようにチューニングして日経に活用するかなど、この10年ぐらいはそんな動きになるかもしれないね。まさに今、報道機関として悩んでいるところだと思うんですよ。「うちの記事を使って学習するな」という声明を出したりしているので。

小林 哲也

小林アメリカでは訴訟が起きていますからね。

山田 健太

山田私のチームでも最新の技術を追いかけて自分たちのプロダクトにどう取り入れられるか考えて開発していますね。APIのバックエンド側と技術の検討をしたり、自分でやりたいことがあればプロジェクトを立ち上げることもできますし。いろいろ挑戦できるのでエンジニアとしては働きやすい会社ですよね。

小林 哲也

小林でも、大きなプラットフォーマーから常に手数料収入を得られるのも魅力…。

山田 健太

山田たぶん、アメリカの訴訟でどれだけのお金が動くのか様子を見ているので、それによってどっちに進むべきか考えているんじゃないかな。

永山 瑞生

永山私のチームでも最新の技術を追いかけて自分たちのプロダクトにどう取り込められるか考えて開発していますね。APIのバックエンド側と技術の検討をしたり、自分でやりたいことがあればプロジェクトを立ち上げることもできますし。いろいろ挑戦できるのでエンジニアとしては働きやすい会社ですよね。

山田 健太

山田すごく働きやすい。僕の場合は仕事と趣味の境界線が溶けてしまっているので、よく分からなくなっていますが(笑)。能動的な人なら、エンジニアとして成長しやすいですよね。「これがやりたい」「これが知りたい」と言えば叶えてくれるので。

小林 哲也

小林確かに積極的に仕事ができる人なら日経はどんな方でも向いていますよね。

山田 健太

山田働くことを楽しめるので。

永山 瑞生

永山アプリも、能動的な方はとてもウエルカム。それとコードを書いていればいいわけではなくて、日経のエンジニアは意外とプロダクトやビジネスの意識を持っている方がとても多いですよね。プロダクトをどうしていけばいいか、ビジネスにどのようなものが必要だとか、そういうことを考えられる人がすごく合っていると感じます。

山田 健太

山田今の話を聞いていると、エンジニアといっても部署によって雰囲気が変わってくるのかも。

小林 哲也

小林僕のように基盤をつくる部署だと信頼性のある仕組みをつくれる人が大事になってきますしね。逆に言うと、日経という企業の中でそれぐらい多種多様な分野のエンジニアが活躍しているのも魅力なのかもしれない。

永山 瑞生

永山そうそう。実際にインターンシップに来てもらって、ぜひ皆さんに雰囲気を感じてもらいたいですね。

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