「アジアの未来」
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日経アジア賞
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23日の概要
竹中 平蔵
日本経済研究センター 特別顧問、元総務相

 誘致庁設立、投資呼び込め

 アジア各国では1997年の通貨危機を経て貯蓄率が上昇し、経常黒字と外貨準備の拡大が進んだ。その結果、アジアから米国への投資が進み、現在のサブプライム問題を招く要因にもなった。

 アジアが潜在的に抱えるリスクは4つある。「スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)危機」「短期資金の流入増による市場の脆弱(ぜいじゃく)化」「人口が多い国での非効率性の温存」「人口減少による市場の縮小」だ。

 日本はアジアで健全な競争が進むように自らの改革に取り組むべきだろう。4つ提案したい。

 まず、羽田空港の能力倍増を実現すること。羽田を24時間稼働させれば、東京はアジアのハブとなり、金融センターとしての地位も高まる。国内他地域との結び付きも強まり、国内経済の活性化にも役立つ。

 次に低率の法人税を適用する「スーパー特区」を設けること。日本の法人税は高く、企業競争力を阻害している。第三に投資誘致庁の設立だ。先進主要国でこうした組織がないのは日本だけ。アジアの政府系ファンドの資金を呼び込み、国内経済を強くすべきだ。

 最後に東大民営化。世界の大学トップテンに名を連ねるのは私立大学ばかりだ。強い経済に強い大学は不可欠。優秀な研究機関である東大を政府の制約から解き放ち組織を活性化すべきだ。

[5月24日/日本経済新聞]

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