「アジアの未来」
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第9回 国際交流会議「アジアの未来」開催
 
討論する(左から)マハティール・マレーシア首相、アロヨ・フィリピン大統領、タクシン・タイ首相、橋本元首相(5日、都内のホテル)
 国際交流会議「アジアの未来」は5日午後、「日本再生への課題と展望」をテーマに討論した。討論でシンガポールのリー・クアンユー上級相は、今後日本が発展するにはデフレからの脱却と銀行機能の強化が不可欠との認識を示した。堺屋太一元経済企画庁長官は「日本の再生には発想の変革をしなければならない」と述べ、東芝の西室泰三会長は教育改革を訴えた。「アジアの未来」は今回が9回目の開催。アジア太平洋地域の政府首脳・経済人らが一堂に会し、アジアの新秩序について白熱した討論を繰り広げ、日程を終えた。

 「日本再生への課題と展望」をテーマとした討論に参加したリー・クアンユー上級相は「日本経済はデフレによる景気後退が長期に続いている」と指摘。日本が米国の経済的・軍事的な優位性を認めた安全保障政策を継続することを前提に、デフレからの脱却と銀行機能の強化が日本発展に必要との見方を示した。「銀行が機能していないのは中央銀行の問題」と述べ、日本銀行が不良債権処理などに苦しむ銀行の再生に向け、積極的な金融政策を打ち出すべきとの考えを示した。

 一方、堺屋氏は「国際競争が進歩をもたらす」と指摘。自由貿易協定(FTA)の交渉で、日本政府の取り組みが遅れていると指摘し、「大量生産時代の考え方から抜け出せていない」と批判した。東芝の西室会長も国内生産の「メイド・イン・ジャパン」よりもブランドなどを活用した「メイド・バイ・ジャパン」の重要性を訴え、アジアの中で取り残されないためにも他の地域と共存すべきとの考えを示した。

 今回の「アジアの未来」は新型肺炎、重症呼吸器症候群(SARS)の影響を受け、2日間の日程を1日に短縮して開催。午前の会議ではマハティール・マレーシア首相、アロヨ・フィリピン大統領、タクシン・タイ首相の3カ国首脳が直接膝を交えアジアの経済協力や安保協力を議論し、対話をベースにアジアの協力強化が不可欠との見方で一致した。

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アジア新秩序への胎動
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