「アジアの未来」
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第7回 国際交流会議「アジアの未来」が閉幕
 
討論する(左から)ソピー氏、スパチャイ氏、劉氏、上島氏
 第7回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)は8日午後、都内の帝国ホテルで「地域経済統合へのシナリオ」などをテーマに2日目の講演と討論を行った。マハティール・マレーシア首相が講演で「一国に帰属しない国際通貨を創設すべきだ」と主張した。会議は同日夕、2日間の日程を終えて閉幕した。

 マハティール首相は「世界の金融や商業を支配する国があってはならない」と指摘。特定国の通貨が為替レートや貿易に絶対的な影響力を及ぼすべきではないという立場から単一の国際通貨導入を提唱した。

 「地域統合へのシナリオ」と題する講演・討論では、スパチャイ次期世界貿易機関(WTO)事務局長が通貨危機の教訓を踏まえ、国際通貨基金(IMF)をモデルにした流動性のあるアジア独自の通貨基金を設立すべきだとの考えを示した。劉常夫・浦項総合製鉄会長は「鉄鋼産業は韓中日の産業統合の重要なパイロットケースになる」と述べた。

 「アジア経済の成長、安定と日本の役割」についても山崎拓自民党幹事長らが講演・討論。日本経済の再生に向けたシンガポールのリム・フンキャン保健相は「小泉内閣の構造改革に期待する」と述べた。経済的に台頭の著しい中国についても意見が相次いだ。

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 講演者のスピーチ・テキストへ
 
 
 会議の概要
 
 アジアの国々が、市場経済の利点を十分に活かして経済を成長させつつ、一方で域内の経済格差をなくし安定した地域づくりをめざすためにはどうしたらよいか。また、IT(情報技術)は経済格差是正にどう役立つのか。さらに世界に開かれた経済統合へのシナリオは……。2日間の会議を通じて、アジアの政治、経済のリーダーがこうしたテーマについて議論する。

 
 
 
 テーマ
 
IT産業がアジアを変える
 IT(情報技術)産業はどのように国や企業を変えるか。一方で、デジタルデバイド(情報格差)が地域内の貧富の差を拡大する恐れはないか。新産業の担い手に経営戦略とIT産業の持つ可能性と課題を聞く。

アジア金融市場、発展の条件
 アジア諸国は深刻な不良債権処理の問題にどのように取り組んでいるか。各国は日本のこの問題への取り組みの経験から何を学べるか。一方、アジア地域の経済発展のため資本市場整備への取り組みへの課題は何か。また、通貨安定への枠組みは現在の通貨スワップ協定などで十分か。さらに、中国の人民元が交換可能通貨になっていくことの地域経済への影響も議論する。

米新政権のアジア政策
 米ブッシュ新政権の東アジア政策を点検しながら、北東アジアが政治、経済の両面で安定するための条件を探る。ブッシュ政権が中国を「戦略的パートナー」ではなく「戦略的競争相手」ととらえ直したあと、日本が日米関係、日中関係をそれぞれどう調整していくかについても議論する。

地域経済統合へのシナリオ
 東アジアで自由貿易協定を結ぼうとする動きが活発化してきた。これがWTOの貿易自由化の流れにどのような影響を与え、東アジア経済圏の形成にどう結びつくのか。新たな域内産業協力をめざすアジア企業の戦略とそのねらい、地域経済に与える影響などについても議論する。

アジア経済の成長、安定と日本の役割
 財政赤字を抱えて日本政府は政府開発援助(ODA)を削減している。日本企業のアジア域内での直接投資もここ数年減少傾向にある。IT分野でのアジア諸国への協力を含め、日本はアジアの安定の前提となる所得格差是正のために何ができるのか。政治、外交、安全保障面での課題も含めて論じる。

 

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