日本国際問題研究所の野上義二理事長は21日午後、国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)の対談で、国際的な金融・経済問題を協議する枠組みが、従来の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議などから20カ国・地域(G20)首脳会議に拡大していることに言及、「参加国が多く(政策面での合意を得ることが)より困難になっている」と指摘した。
またアジア太平洋経済協力会議(APEC)については「太平洋のこちら側と反対側を含み、地域的な枠組みである(東南アジア諸国連合の10カ国と日中韓を含む)ASEAN+3や東アジアサミットとは性質が異なる」として、地域経済問題の議論の場として、APECは相対的に不向きであるとの認識を示唆した。
野上氏は元外務次官で、昨年11月に国際金融問題を担当する内閣官房参与に就任。麻生太郎首相の特使としてアジア諸国首脳と会談するなどの活動が目立つ。みずほコーポレート銀行常任顧問も務めている。