「アジアの未来」
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ユスフ・カラ
インドネシア 副大統領

 投資国には石油輸出維持

 アジア域内では国によって発展段階が違うので、東アジア共同体の構築は簡単ではない。格差問題に取り組むため人材育成や貿易、外国投資の増加などが必要になる。共同体の設立には東南アジア諸国連合(ASEAN)の役割が重要だ。

 政治、経済や安全保障が不安定になることで共同体の調和が乱されてはならない。北朝鮮の核問題は共同体構築のために解決しなければならない課題だが、北朝鮮に軍事的圧力をかける手段をとるのではなく、日中韓との平和的な対話を通して非核化を実現すべきだ。

 インドネシアは1997年からのアジア通貨危機で最も打撃を受けた国の1つだ。だが国内経済は回復し、この2年間は年率6%前後の成長を続けている。政府は内外投資家を差別なく扱う新投資法の整備など投資促進策も進めている。

 日本とインドネシアのEPAは、近く合意に達すると思う。戦略的パートナーシップを築くための一里塚となる。

 エネルギー問題では、まず国内需要を満たしたうえで、友好的な国への輸出は維持していくつもりだ。インドネシアでは石油の生産が減っており、探査が必要になっている。投資してくれた国へは輸出することができる。日本企業にぜひ投資してもらいたい。

 気候変動の問題は重要な課題となっているが、温暖化ガスの排出削減だけでなく熱帯雨林の状況も考えるべきだ。インドネシアではボルネオ島などに最大規模の熱帯林があったが、40年間で伐採が進んだ。インドネシアだけでなく、世界を緑化するために国際的な協力を考えていきたい。

[5月26日/日本経済新聞]

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