「アジアの未来」
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ファン・ザー・キエム
ベトナム 副首相兼外相

 近隣国から刺激 市場経済化急ぐ

 アジア全体の共同体意識をもっと促進すべきだ。共同体構築はアジア全体の発展に不可欠だ。協力の精神がアジア各国の格差縮小につながる。真の共同体実現には経済、貿易、科学、技術、教育などに協力対象を広げなければならない。アジア地域の経済的な連携は必須で、中国や日本、韓国とASEANの間のFTA交渉を歓迎する。

 経済のグローバル化の中で熟練労働者への需要は高まっている。人材開発センターをベトナムに作り、ほかの国にも人材を供給していきたい。

 ベトナムはこの20年、高い経済成長を続けてきた。今年は8.5%に達するだろう。実績を上げるため、開発に対する考えを大きく変えてきた。中国の経済改革や東アジアの奇跡的な発展からベトナムは刺激を受けた。計画経済から市場経済への転換を進め、国際経済への統合を急ぐ。

 民間企業の概念が広がり、35万人が新たに会社を興した。世界貿易機関(WTO)の150番目の加盟国になった。今後、保険、金融、通信などの分野で外資に投資機会を提供していく。外国人によるベトナムの上場企業の株式保有規制も長期的には緩和する。経済改革は今後とも加速し、2010年までに中所得国、20年に工業国になることを目指す。

 我が国には4つの優位性がある。1つは次の10年間で1億人に達し、若者が大半を占めるという人口。2つ目はコメを輸出できるほどの食糧安全保障を確保していること。3つ目が豊富なエネルギー。4つ目が政治的安定だ。ベトナムは投資先として“約束の地”だ。会社法や投資法、公平な競争を促す競争法も整えた。貿易障壁も減少しつつある。

 日本は重要なパートナーだ。政府開発援助(ODA)の最大の提供国であり、貿易や投資に占める割合も大きい。EPAの締結交渉も始めた。

[5月25日/日本経済新聞]

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