「アジアの未来」
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26日の概要
マハティール・ビン・モハマド
マレーシア 前首相

 「インドも含め共同体構成も」

 1990年に私が東アジア経済協力グループ(EAEG)を提唱したのは欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)をにらみ、貿易や国際体制についてアジアとしても意見を集約する必要性を感じたからだ。当時は反対されたが、97年のアジア通貨危機後に東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)に結びついた。

 昨年末にクアラルンプールで開いた東アジア首脳会議(サミット)にはオーストラリア、ニュージーランド、インドが参加した。しかし豪とニュージーランドは必ずしも東アジア諸国の考え方に合っていない。東アジア共同体を構成するのは、東南アジアと北東アジア諸国に限るべきだ。インドは最近、外国投資を受け入れ、開放的になっておりグループの一員として考えられる。

 欧州では敵対してきた仏独の先導でEUを築いた。過去よりも将来を考えることに重点を置いたからだ。日中韓が過去の敵がい心を抑制し未来を考えられれば、北東アジアと東南アジアで優れたグループをつくれる。

 現在はドルが重視されすぎている。ドルは対円でも対ユーロでも下がり続けている。金本位制に立ち返ることを提案したい。アジア通貨危機の際、日本などが提唱したアジア通貨基金(AMF)は非常に有効な解決策だ。アジア通貨建ての債券を積極的に発行するアジア債券市場構想も大変いいことだ。アジア通貨単位(ACU)については、米ドルやユーロに対して安定するかどうかはわからないが、アイデアを追求して最善のものを生み出していくべきだ。

[5月27日/日本経済新聞]

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