呉 儀氏 中国 副首相 ＳＡＲＳ制圧で奔走 　中国の４人の副首相の１人で対外経済を担当する。女性としては最高位の閣僚で、中国共産党指導部である政治局でも唯一の女性委員。1993年３月に対外貿易経済協力相に就任後、中国の世界貿易機関（ＷＴＯ）加盟問題や知的財産権を巡る対米貿易交渉で指導力を発揮した。当時のカンター米通商代表部（ＵＳＴＲ）代表とも渡り合い、中国版「鉄の女」の異名で海外でも知られる存在だ。 　対米貿易交渉での経験と能力を評価され、2003年３月、1978年の陳慕華氏以来の女性副首相に任命された。2003年４月には急性肺炎、重症急性呼吸器症候群（ＳＡＲＳ＝サーズ）問題への対応で事実上更迭された前職者の後を受けて衛生相を兼任した。 　温家宝首相と二人三脚でＳＡＲＳ制圧の陣頭指揮をとり、感染情報の公表や検疫、治療などの対策に力を入れた。 　湖北省生まれ。北京石油学院卒業後、北京市副市長、対外経済貿易次官などを歴任した。英語が堪能でダンス、テニスなど趣味も幅広い。米経済誌フォーブスが2004年８月に発表した「世界で最もパワフルな女性100人」番付では１位のライス米大統領補佐官（当時）に次ぐ２位にランキングされた。66歳。 ■生年月日 1938年11月、湖北省武漢市生まれ、66歳 ■学歴 北京石油学院石油精製学科卒 ■職歴 1962年 中国共産党入党 1983年 北京燕山石油化工公司副経理、同党委書記 1987年 中国共産党中央委員会候補委員 1988年 北京市副市長 1991年 対外経済貿易部副部長 1993年 対外貿易経済合作部部長（閣僚） 1997年 党中央政治局候補委員 1998年 国務委員（副首相格） 2002年 党中央政治局委員 2003年３月 副首相                                                                 講師一覧へ戻る Copyright 2005 Nihon Keizai Shimbun, Inc., all rights reserved.