25日に開幕した「アジアの未来」の東アジア情勢を展望する討論で、王毅駐日中国大使は北朝鮮核問題について「6カ国協議は復活できる」と言明した。ただ、米朝間の信頼回復がカギを握ると指摘。そのためには、合意事項は同時に実行に移すという6カ国協議の原則を守ることが重要になるとの考えを示した。
トーマス・ハバード元駐韓米大使は「6カ国協議を成功させようと思えば、米政府はもっと熱心に米朝協議にも加わるべきだ」と強調。田中均・前外務審議官も「協議停滞の責任は北朝鮮にある」としながらも「今の米国は北朝鮮と真剣な交渉をするという雰囲気にない」と米政府の真剣な関与を促した。
一方、ドミンゴ・シアゾン駐日フィリピン大使は「東アジアの統合進展により、地域の安全保障の公的な枠組みをつくる必要が出てきた」と指摘。(1)戦略的にエネルギー開発や石油備蓄などを進めるエネルギー共同体(2)ロシアや北朝鮮、台湾も加えた核の不拡散を検証・核燃料の管理を手掛ける東アジアの原子力エネルギー機関(3)金融危機などに備えた東アジア通貨基金――などの構築を提案した。