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 「人民元の実力はまだ試されていない」――松島日銀理事らが討論 

人民元と中国の資本市場について語る講師陣
 国際交流会議「アジアの未来」は22日午後、「5年後の人民元と中国の資本市場」をテーマに討論した。谷内満・内閣府官房審議官は人民元相場について「上がる力と下がる力がしばらく拮抗(きっこう)するだろう」と述べ、急激な相場変動はしばらくないとの見通しを示した。日銀の松島正之理事は「資本市場が自由化されておらず、(人民元の)本当の実力が試されていない」と話し、「人民元のレベルが適正かどうかは現時点では言えない」と言及を避けた。

 陶冬・クレディ・スイス・ファースト・ボストン・アジア担当チーフ・エコノミストは「変動相場制度とリスクは分けて考える必要がある」と指摘、中国における固定相場制度は終わりを迎える時期が近づいたとの持論を展開した。

 王建・国家発展計画委員会中国マクロ経済学会常務副秘書長は、中国の銀行が巨額の不良債権を抱えている問題について「国有資産と、資産に占める負債の比率を見るとそうひどくはない」と楽観視する姿勢を示した。製造業で国有企業が多かった以前と比べ、現時点ではその割合が20%程度にまで減少している点を指摘したうえで「段階的に解決していく問題だ」と話した。中国資本市場の開放については「いずれは開放する必要がある」と強調した。

 趙海英・中国証券監督管理委員会発行監管部副主任は「市場が大きいということは、われわれ規制当局にとって大きな挑戦だ」と話した。国有企業の改革が今後の一つの目標である点を指摘したうえで「資本市場を発展させ、これからは国有企業以外の企業が多く上場できるようにする」と強調した。また上場企業に対して情報開示の徹底を求めるなど規制強化により資本市場の健全性を高めることの重要性を語った。

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