国際交流会議「アジアの未来」は2日目午後、中国に関するセッションに入り、「消費市場としての中国」をテーマに討論した。張瑞敏・海爾集団(ハイアール)最高経営責任者(CEO)らパネリスト4人は、消費者のニーズを正確に把握して商品化に成功した企業が中国で生き残ることができるとの見解で一致した。
張CEOは、中国の農村部で洗濯機でイモを洗おうとする人が多かったのを聞き「イモも洗える洗濯機を作れ」と命じた逸話を紹介。アンリ・D・プティ・イーストマン・コダック副社長(アジア地域会長兼社長)も、広い中国市場を1つの市場と見ないで、地域や世代ごとに多様な需要に対応することが重要だと指摘し、張CEOと見方が一致した。
また塙昭彦イトーヨーカ堂専務・中国室長は、中国での出店前に取引を断り続けた現地業者が、開店後に多くの客が集まると取引を申し出てきたことを振り返り、「約束事を守り、絶対的な信用を勝ち取った企業だけが中国市場で成長を続けられる」と強調した。 コカ・コーラ カンパニー東・西アジアグループ社長のパトリック・T・シーワート氏は「中国の消費市場は変化しており、ただ輸入するだけでは勝ち残れない」と指摘、商品開発や調達、生産の現地化を進めることで変化にも対応できるとの考えを語った。