透明性・規律が改善点
中国の証券市場の将来を楽観している。昨年から大企業の上場に耐えられるほど市場に深みが出てきた。マクロ面では貯蓄率が35−40%と高いため、今後も十分な資金が市場に流れ込む可能性が高い。現在、中国企業は資金調達面で銀行に依存しているが、将来は市場機能がより重要になってくるだろう。
ミクロ面では企業統治が課題だ。中国の上場企業は国有企業が中心で、市場はそうした企業の規律強化をもたらした。上場企業には、社外取締役の選任や企業統治原則についてのガイドラインも示している。
企業が新規上場や増資をする際に監督当局が企業統治状況をチェックできるようにしたほか、年次報告書での情報開示強化なども求めた。さらに、インサイダー取引規制や相場操縦の禁止、価格決定の透明性向上などが必要だ。