「アジアの未来」
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日経アジア賞
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22日の概要
谷内 満氏
内閣府官房審議官(経済財政担当)

 不良債権の処理不可欠

 中国が中長期的に高度成長を維持するためには金融部門の発達が不可欠だ。当面の課題は金融機関の不良債権処理だ。国際基準で見た4大国有銀行の貸付額に占める不良債権の割合は少なくとも50%とする推計もある。これは政府が巨額の資金を投入しなければ解決できない問題だ。今後5年で処理できるような規模ではないが、銀行が国有化されているため、金融危機が発生する可能性は小さい。

 証券市場は成長してきたが、中国人と外国人向けの株式市場が分断されていることや情報開示が不十分であることなどが発展を阻害する要因となっている。金融を強化するためには債券市場をてこ入れする必要もある。

 今後5年は人民元には上昇圧力と下落圧力が双方からかかり、実質的な相場はきっこうするのではないか。海外からの資本流入が続く半面、WTO加盟に伴い輸入も増えるため、相場が一方方向に振れる可能性は小さいとみている。

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