10年後、時価総額2位に
10年後の中国について3つの予測をしている。ひとつは製造業。中国の製造業は収益力では見劣りするものの、今日あるいは1980年代初頭の日本企業に匹敵する存在感を持つようになる。在庫を持たない効率経営を可能にするサプライチェーンの発達は強みだ。今後4億―5億人もの過剰労働力が農村部から都市部に流れると予想され、未熟練労働のコストも当分変わらないだろう。
株式市場の時価総額は2兆―3兆ドルに膨らみ、世界第2位の市場となるだろう。最近は平均で1日1社が新規上場するなど急成長している。
人民元は自由化されれば長期的には切り上がっていく。ただ、国際基準で融資総額の30−40%に達する銀行の不良債権問題が重しとなるほか、資金が米国債などに向かうことが考えられ、中短期的に人民元が減価する可能性はある。