アジア諸国と相互補完
昨年末にWTOの加盟を果たし、中国の対外開放は新たな段階に入った。中国政府はすでにWTOのルールを尊重して法律を改正し、透明な法律環境の整備に着手している。
対外貿易の面でも2000年7月から関税を引き下げ、多くの製品について輸入割当許可証による管理を廃棄した。著作権問題でもCDやDVDの不正コピーの取り締まりを強化している。
WTO加盟を受け世界各国のメディアに中国脅威論も目立つ。だが中国とアジア諸国は相互補完できる部分も多い。小泉純一郎首相が先月の博鰲(ボーアオ)アジアフォーラムで「日本にとって中国は脅威ではなくチャンスだ」と発言したのは正しい認識と言える。
中国経済にとって今後重要なのは情報技術(IT)産業の発展だ。中国は電子部品の面でまだ競争力が弱い。アジア地域でいち早くIT分野の技術発展を果たした日本や韓国は中国の発展に大きく寄与するだろう。
既存の農業や工業に加え、WTO加盟を受けた規制緩和で海外からの投資が期待できるサービス業や金融にも重点を置き、産業構造の改革を急ぐ必要がある。
中国としては、ASEANとの自由貿易圏設立に向けた交渉などを通じて、アジア諸国との連携を一段と強化していきたい。