「アジアの未来」
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日経アジア賞
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21日の概要
福川 伸次氏
電通総研研究所長

 努力が報われるシステム作りを

 日本への投資の現状を振り返ると、2000年度の対日直接投資は前年度比31.5%増の282億7600万ドルで3年連続で過去最高を更新したが、先進国の中で最低水準だ。対日直接投資が国内総生産(GDP)全体に占める比率も1%で、先進国平均の14.5%より格段に低い。

 日本の投資環境は魅力に乏しかった。経済成長率も米国などに比べて低く、非競争的な市場環境や不安定な金融システム、情報技術インフラの不備などの障害もあった。政策の信頼性や透明性も欠如し、日本社会の「内なる国際化」も進んでいない。

 アジアとの関係再構築も重要だ。すでに日本を先頭とする雁行(がんこう)型の発展形態は崩れている。地域協力体制も多層化し、単なる自由貿易推進から知的財産権などの制度整備などに発展している。中国や韓国とどう理解し合うかが鍵を握る。

 投資先としての日本の魅力を高めるには総合戦略の構築、投資環境の整備、コミュニケーション力の充実などが必要だ。努力すれば報われるシステム、モノ作りより知恵作りに適したシステムを構築し、知的生産性を高めていく必要がある。

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