「アジアの未来」
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3日の概要
田中 直毅氏
21世紀政策研究所理事長

 通貨問題、備え必要

 ユーロがドルに対して大幅に切り上がっても欧州は変動相場制に基づいた対応に終始するのに対し、東アジア各国はドルに対する自国通貨の切り上げが国内での雇用問題に波及するのを避けることを優先する。日本の通貨当局は為替市場に介入し外貨準備高を積み上げている。これは米国市場に依存しないと完結しないシステムで、東アジアの共同体は米国抜きに議論できない状態にある。

 米国がこれから短期金利を引き上げていく。すると長期金利も上昇して国際社会にも影響が及ぶだろう。新興国経済で体力が弱いところは、余分な支払金利が要求されて困難な状況に陥るだろう。アジア通貨危機の時ほどではないが、来年にかけて問題が発生してくる。日本はその際に個別対応するだけで良いのか、ここではその構図づくりが問われる。

 イラクの戦後復興を巡っては日本も支援の位置づけを見直す必要が出ている。欧州の戦略研究者は日本がアジアだけでなく(中東など)グローバルな問題に大きな役割を果たせるとみている。ODAは明日の世界をにらんで何をもたらせるかとの視点が必要だ。

[6月4日/日本経済新聞]

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