「アジアの未来」
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日経アジア賞
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3日の概要
リー・クアンユー氏
シンガポール上級相

 米依存脱却へ消費拡大

 東アジア経済の米依存を脱却するには日本の消費拡大が必要だ。東アジアの住民は貯蓄を好み、域内の生産品を自地域内で消費し切れない。各国とも自国通貨の対ドルレートを低く設定し、米国に製品を輸出することで雇用を守ってきた。東アジアは貯蓄と消費のバランスが取れた経済構造に移行しなければならない。現時点でその能力があるのは日本だけであり、消費社会に向かって歩んでほしい。

 中国は米国の潜在的な競争相手になりつつある。世界貿易、投資の流れが急成長の続く中国に傾いた。東アジアの成長が一極に偏るのは危険をはらむ。ASEANは日本が構造改革を遂げ、経済回復するよう願っている。

 世界は安全保障面で地殻変動に直面している。米はイラク問題の処理を誤れば世界の指導的立場を失いかねない。安全保障、世界経済の枠組みを安定させてきた米国の力が無くなれば、東アジアも危険にさらされる。米の国際的影響力を低下させないためにも、日本を含む東アジア諸国はイラクの主権移譲が順調に進むよう米を支援していかなければならない。

[6月4日/日本経済新聞]

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