3日の概要
スラキアット・サティヤンタイ氏
タイ外相
共同体意識の確立めざせ
アジアの地域統合に向けた過程は経済にとどまるべきではない。域内の共同体意識を育てることを目標にすれば、アジア地域の持つ力を十二分に発揮することが可能になる。アジア共同体は欧州統合とは異なり、歴史的背景、文化、備わった力の多様性を反映したものでなければならない。
ASEANと中国や日本などとの包括的な経済協力関係の枠組みは、地域内で経済統合に向けた段階的な歩みが進んでいることの証明だ。世界第二の経済大国である日本は、地域での経済連携協定を加速させることで、地域のリーダーとなり得ることを示せる。
1997年にアジア通貨危機を経験した我々は、健全で安定した金融インフラの構築に向け動く必要がある。この主要な手段となりうるのがアジア債券市場の創設だ。アジア債券基金の設立によって具体化しつつあり、第二段階として債券の供給サイドと流通面の障害を取り除く作業をしている。
[6月4日/日本経済新聞]
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