「アジアの未来」
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日経アジア賞
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3日の概要
ファン・バン・カイ氏
ベトナム首相

 技術移転の推進拠点を

 高度な発展を誇る日本と韓国は、アジア地域で重要な役割を果たす。世界最大の人口を持つ中国とインドも力強く台頭してきた。ASEAN諸国と併せ、各国は経済依存を深めている。地理的、文化的に近い各国の協力は深まっており、地域統合は急務となっている。

 アジア地域統合について小泉純一郎首相は「共に行動し共に前進する」方針を示した。これは地域のすべての国の利益にかなう。地域経済統合は不可避のトレンドであり、多くの可能性と課題を抱えている。域内には開発格差がある。先を行く者は後から来る者を助けるべきだ。格差縮小により、地域全体の地位を高め開発の勢いを増すことができる。

 ベトナムの経済開発政策は二本柱でなりたつ。第一は、改革を進め、持続的発展の礎となる社会主義志向の市場経済を確立する。第二に、地域および国際的統合を加速させ、国家の成長に必要な資源の流動性を高めるとともに、平和や安定、協力の面で貢献する。2020年までに新興工業国の仲間入りをしたい。

 ベトナムを含め各国の労働力の需給には不均衡がある。熟練労働者が不足する一方、非熟練労働者の失業が緊急の課題として浮上してきた。域内での労働力の秩序ある移動に向け、教育、職業訓練、雇用促進などを目指す「東アジア人材開発・技術移転センター」の設立を提案したい。

 最大の政府開発援助(ODA)供与国である日本に対し、感謝の気持ちを抱いている。二国間関係をさらに高い次元に持っていきたい。アジア統合の未来に私は楽観的だ。我々には多くの共通点がある。人々は勤勉で創造性がある。

[6月4日/日本経済新聞]

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