プラパット・ポティボラクン・タイ工業連盟(FTI)会長は5日の講演で、「中国の台頭は脅威ではなく、アジア諸国に様々な機会をもたらす」と述べ、成長する中国と他のアジア諸国は共存できるとの考えを示した。
プラパット会長は「(中国の台頭により)タイでは衣料品などの労働集約型産業は見直しを迫られるだろう」との認識を表明。一方で「中国の安価な原材料とタイの優れたデザイン力が組み合わされば、高付加価値の製品を生み出すことができる」と強調した。
また自由貿易協定(FTA)の締結に関して、プラパット会長は「あらゆる分野で関税を撤廃しなければならない」と述べ、農業分野を含めた全分野での関税の撤廃を求めた。そのうえで「FTAの締結により、政府は非効率産業の保護を見直すことになるだろう」と述べ、FTAの締結が国際分業の推進に貢献するとの考えを示した。
またプラパット会長は「ASEAN諸国と日本、中国、韓国で経済協力をさらに進める必要がある」と強調し、ハイテク分野などを中心に日本企業にタイへのさらなる投資を求めた。
アジア債権市場の創設については「経済協力の源泉になる」と歓迎する考えを表明した。