経済成長に女性の役割

　ダイナミックで持続可能な経済成長のためには、すべての人が平等に扱われなければならない。地球の貧困層の３分の２は今なお女性が占める。男女の不平等が人類と社会の発展を拒む障害の１つになっている。

　グローバル化の今、女性が平和と社会調和という面で重要な役割を担うようになってきた。このことが十分に認識されれば、健全で頼りがいのある社会を育てる原動力になるはずだ。

　ベトナムの女性は国家建設に大きく貢献してきたが、戦争の被害も受けたため、どの国の女性よりも平和の価値を大切にしている。今では政治、経済など様々な分野で指導的な役割を演じており、国会議員の27.3％は女性が占める。

　政府も女性の生活の質向上など、ジェンダー（社会的・文化的性差）問題に取り組んできた。経済政策に貧困撲滅の目標を取り入れ、女性の権利向上や男女平等を促進するなど、国際的に評価されている施策もある。

　女性の潜在力を引き出すには、指導者が女性の役割を認識する必要がある。女性の保護と一国家の経済成長は同義と言っても過言ではない。

[6月6日/日本経済新聞]