「アジアの未来」
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日経アジア賞
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5日の概要
橋本龍太郎氏
元首相

 自由貿易圏、日本に好機

 タクシン首相が提案したアジア債券市場構想を高く評価する。アジア通貨危機で日本が提起して実現しなかった構想の再現で、あの危機がよりよい経験に切り替えられている。自由貿易圏の構築は日本の縮み志向を破るチャンスだ。FTAが食糧自給率向上の妨害になるとの悲観論にはくみしない。

 日米安保体制がアジア地域全体の安定に果たしている役割は認めてもらえると思う。日本国内には沖縄の基地問題をはじめ難しい問題があるが、日米安保に対する理解は段々と深まってきた。

 我々は間違ってもよその国に戦争を仕掛けるつもりはない。その上で自分たちの身の丈にあった責任を国際社会の中で果たそうとしている。自衛隊が出動することで地域の安定を回復できる場合、みんなに信頼されながら出ていける国になろうとしている。

 中国脅威論はとらない。利害を共有する重要なアジアのメンバーで、脅威ではなく共存共栄できる隣人として付き合っていかないといけない。

 麻薬や覚せい剤の取り締まりに対する協力体制は、対国際テロの協力体制同様の強さが必要だ。

 環境分野は日本にとって過去の失敗と解決策を国際社会に提示するだけで大きな貢献ができる。

[6月6日/日本経済新聞]

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