「アジアの未来」
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5日の概要
ASEANと包括連携、EU・北米並みに

 小泉純一郎首相は5日、第9回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)の晩さん会であいさつし、自らが提唱した東南アジア諸国連合(ASEAN)との「包括的経済連携構想」を将来、欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)に匹敵する自由貿易圏に発展させたいとの意欲を表明した。一方、交流会議ではリー・クアンユー・シンガポール上級相が日本経済再生のための金融改革の必要性を強調、同会議は同日夕に閉幕した。

 日本とASEAN10カ国は12月11、12両日、ASEAN域外で初めてとなる首脳会談を東京で開く。これに関連し、首相は「21世紀の日・ASEAN関係に大きな指針を与えるようなものにしたい。包括的経済連携構想についてもできる限りの進展を遂げたい」と、関係拡大の契機として同構想を加速させる方針を示した。

 同時に「北米にNAFTAが存在し、欧州にEUが存在し、世界各地で自由貿易協定(FTA)が続々と締結される中、アジア地域はFTAや地域協力の面では遅れている」と指摘。日本とASEANの包括的経済連携構想は「経済的利益のみならず、政治的、外交的、さらには人的な結びつきを強化するものだ。質の高い連携を模索することにより、互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、この地域全体の強じんさを増進する」と訴えた。

 具体的には物品やサービスの貿易、投資の自由化だけでなく、観光、中小企業協力、人材育成など幅広い分野で協力を模索する意向を示した。

 ASEANとの経済連携には、ASEAN加盟国の間で経済構造や発展段階にばらつきがあるうえ、日本も農業自由化への反発が強く障壁は高い。首相は「生みの苦しみが避けられない。しかし私の信ずるところに従って時には足踏みすることがあるにしても必ず実現するよう一歩一歩進んでいきたい。長期的、歴史的視野に立ってこの実験を成功させよう」と呼びかけた。

[6月6日/日本経済新聞]

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