「アジアの未来」
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日経アジア賞
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5日の概要
グロリア・マカパガル・アロヨ氏
フィリピン大統領

 貧困乗り越えテロ撲滅

 米英軍が3月にイラクを攻撃し、世界は一変した。イラク戦争は国連を揺るがしたが、多国間主義は否定されない。多くの発展途上国にとって国連は地球規模の経済、社会問題などを扱うために必要だ。国連を効果的な開発・平和維持機関に改革する好機を迎えた。

 貧困の克服がテロ撲滅につながる。テロと貧困の両面で戦わなければならない。国際テロ組織アルカイダの壊滅も進んでいる。中東和平の指針となるロードマップ(行程表)の早期履行は現状の改善に役立つ。

 東アジア諸国・地域は新型肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)のような困難の克服でも協力すべきだ。東アジア共通通貨の創設は達成しなければならない目標である。東アジア経済の統合の利益は域内にとどまらない。

 わが国は朝鮮半島の非核化を求める。大量破壊兵器を廃棄するように、日本、韓国、米国、中国、ロシア、欧州連合(EU)が北朝鮮を説得するよう望む。米朝中の3カ国協議を実現させた中国の努力は称賛に値する。中国が引き続き重要な役割を担うことを期待する。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)は地域における安全保障と政治対話のかなめだ。だが、現在の信頼醸成の場から、紛争解決機関に発展させることは可能だ。

 日本経済は世界の成長をけん引しなければならない。日本は依然アジア最大の経済大国だが、高齢化が進行している。フィリピンのような若齢人口が多い国の助けを借りる必要がある。もっと多くの看護師を受け入れてほしい。フィリピン人の語学能力は高く、日本語も問題なく習得できる。日本がアジアで政治、経済両面の安全保障にかかわることを支持する。

[6月6日/日本経済新聞]

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