自由にチャレンジできる社会へ 
日経の約束

日本経済新聞社 代表取締役社長

 日経は時代にあわせてビジネスモデルを変革しています。デジタル技術をふんだんに活用し、例えば、報道では、活字の記事だけでなく、動画やデータ分析を組み合わせたデジタル・コンテンツを増やしています。グループの活動領域は国境を超え、グローバルに広がっています。そんな日経の今、そしてこれからの姿を言葉で表現したのが「バリュー・パーパス・ミッション」です。
 パーパスの「考え、伝える。より自由で豊かな世界のために。」は、日経の社会に対する約束です。世の中の出来事や問題について考え、解決策や意味合いを伝えていく。記事や広告、サービスなど様々なコンテンツを読者や顧客の皆さんに届ける。それが、これからも変わることなく、私たちが日々取り組んでいくことです。何のためにやるのか、と問われれば、「より自由で豊かな世界のために」と答えます。
 いま、世界は自由や民主主義といった価値が揺らぎ、権威主義が力を持ち始めています。貧困や格差の拡大で社会の閉塞感が強まっています。私たちが理想とするのは、人々が自由にチャレンジでき、競い合える社会です。個人が経済的にも、精神的にも自立し、豊かな毎日を送れる社会です。私たちは「より自由で豊かな世界」の実現を切実に願い、そのための努力を惜しみません。
 ミッションで描いたのは、日経の「ありたい姿」です。「質の高い報道とサービスで 読者・顧客の判断を助け 世界で最も公正で信頼されるメディアになる」。読者や顧客の皆さんの高いニーズにこたえ、頼られる存在にならなければと考えています。個人が情報発信できる場を作ったり、リスキリングでキャリアアップを後押ししたり、皆さんの仕事や人生をさらに充実させる仕掛けを発信していきます。
 日経は間もなく創刊150年を迎えます。この長い歴史の中で、社員が共有してきた価値観を表したのがバリューです。中正公平で何者にも阿らない「独立」、高品質を追求し続ける「クオリティー」、新たな地平を切り開く「先進性」、ダイバーシティーを重んじる「多様性」。日経にはこの4つを自然と身に付け、経済とビジネスへの知見を兼ね備えた人材がそろっています。
 「日経の仕事を通して世界のために何かしたい」「日経でなら社会の課題解決に役立てるはず」。社員は皆そう考え、日々伝える努力を怠っていません。そんな社員一人ひとりが成長できるように寄り添い、日経は社会への責務を果たしていきます。「考え、伝える」を愚直に貫き、「信頼されるメディア」へと歩み続けます。

日本経済新聞社 代表取締役社長
長谷部 剛