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森下洋一・松下電器産業会長 |
森下洋一・松下電器産業会長は8日の講演で「中国の経済的台頭の影響を克服することが、アジア経済の成長と安定のポイントになる」と語り、エレクトロニクス業界では技術や生産面で地域別に役割をすみ分ける必要があるとの見解を示した。
中国の経済成長の影響について「(中国の消費増による)需要ショックより、中国の生産過多による供給ショックの問題がまず顕在化する」と指摘。東南アジア諸国(ASEAN)自由貿易地域(AFTA)の貿易自由化の早期実現により、域内協力を加速し競争力強化に取り組む必要があると述べた。
日本が早期に経済を回復させ安定成長の軌道に戻らなければアジア諸国に中国脅威論が台頭してしまうと語り、迅速な経済構造改革の必要性を強調した。そのうえで「ナノテクノロジーや環境技術などの分野で先行することが、日本の競争力回復につながる」と述べた。
中国側には関税引き下げや外資規制の緩和など、世界の貿易ルールを重視した経済運営を強く求めた。
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