|
アジア地域の経済統合をめぐって討論するパネリストたち |
第7回国際交流会議「アジアの未来」は8日午後、「地域経済統合へのシナリオ」をテーマに講演・討論を進め、世界貿易機関(WTO)次期事務局長のスパチャイ・パニチャパク・前タイ副首相兼商業相らパネリスト全員が、アジアの経済統合は必要との見解で一致した。スパチャイ氏は97年のアジア通貨危機を振り返り、「IMF(国際通貨基金)のほかにも(支援先の)選択肢があれば良かった」と指摘。アジア太平洋経済協力会議(APEC)など貿易を中心にした機構では、こうした危機への対応には限界があるとして、「新しい結びつきが必要だ」との認識を示した。
韓国の劉常夫・浦項製鉄会長は経済統合の具体的な手法として、「韓国・中国・日本が小規模の経済共同体を形成し、これを長期的にASEAN(東南アジア諸国連合)と連携・統合させる」ことが、最も現実的で理想的だと提案した。上島重二・三井物産会長は、域内のすべての国にとって利益となるような仕組み作りが重要という考えを示したうえで、「あくまで開かれた経済圏にすべきだ」と述べ、排他的な集まりにならないよう注意を喚起した。ノルディン・ソピー・マレーシア戦略国際問題研究所会長を講師兼モデレーターとして交え、討論した。
|