柳沢伯夫金融担当相は7日午後の討論で、金融機関の債権放棄など企業の私的整理の指針(ガイドライン)について、「うまい具合に(今月末に経済財政諮問会議が示す)骨太の方針に収められればと思う」と語った。全国銀行協会と経団連を中心に話し合いが始まる予定で、今月末にも結論を打ち出したいとの考えを改めて示した。これまでの債権放棄は「手続き面でやや透明性に欠ける」と指摘し、明りょうなルール作りを呼び掛けてきた経緯を説明した。
債権放棄を受けた一部企業の株価が額面割れになっていることについては、「当座のところで(株価を)うんぬんと、意識しすぎるのはどうか」と述べ、額面割れしている企業でも「再建計画がつまらないものか。(自分は)必ずしもそう思っていない」と語った。
不良債権処理を進めると失業者が増えるとの見方に対しては「短絡的な推計。もうちょっと細かく見ていくべきだ」と反論した。中小企業でも「キャッシュフローの範囲で事業を縮小した場合、雇用はとっくの昔に整理している」と指摘。大手企業の下請けだった中小企業も、生き残りのために取引先を開拓するために動くとの見通しを示した。
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