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講演する杉浦外務副大臣
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杉浦正健外務副大臣は7日午前の講演で、交渉を開始した日本とシンガポールの自由貿易協定(FTA)を年内に締結する意向を表明した。そのうえで、「これを第一歩として東南アジア全体、東アジアも含めてアジア全体で自由な貿易と経済交流の枠組みづくりを目指すべきだ」と述べ、アジア全域へのFTA拡大に意欲を示した。
副大臣は11月にカタールで開く世界貿易機関(WTO)閣僚会議で新しい多角的貿易交渉(新ラウンド)を立ち上げることが重要との認識も表明した。
日中、日韓関係については「大局的には良好な関係が維持されてきているが、様々な懸案がある」と述べ、中韓両国が修正を求める日本の中学歴史教科書問題や靖国神社参拝問題などの懸案が山積している現状を説明。「懸案は解決されると確信している。いろいろな知恵を出し合い、様々な課題に取り組んでいくことが重要だ」と関係改善に取り組む意欲を強調した。
日中韓3国の連携にも触れ「最近、日本、中国、韓国はそれぞれの2国間関係から3国の協力関係も構築してきている。こうした日中韓の関係の発展にも尽力していきたい」と語った。
経済協力に関しては、アジア太平洋経済協力会議(APEC)やアジア欧州会議(ASEM)などの多国間の重層的なアプローチの推進を訴えた。
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