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吉富アジア開発銀行研究所所長
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吉富勝アジア開発銀行研究所所長は7日講演し、アジア地域のように国内の金融市場が発展途上にある段階では「為替レートの変動が国内の資産価格の変動につながりやすい」と指摘、「貿易の観点、国内金融市場の健全な発展の上からも為替レートは安定していたほうがいい」と語った。
アジア諸国・地域が複数の通貨を中心に据えた為替の安定化政策を採り、マクロ経済政策の協調を進めることで、将来的には「アジア共通通貨というのも夢ではない」との見通しを示した。
1997年に起きたアジア通貨危機の再来を防ぐには、「地域内での流動性供給の仕組みづくりが欠かせない」と指摘。その上で、昨年以降、東南アジア諸国連合と日本・中国・韓国の間で進めている通貨スワップ協定の枠組みについて、「現段階では供給量は少ないが、必要に応じて量が拡大する将来性のある仕組みだ」と評価した。
地域内で各国・地域がマクロ経済政策で共同歩調をとることについては、「経済的な束縛が地域内の安全保障にも発展する」と述べた。
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