「アジアの未来」
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アジアの未来
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日経アジア賞
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8日の概要
ファン・バン・カイ氏
ベトナム首相
 外資念頭に所得減税

 ベトナムに投資をしようとする外国企業にはあらゆる面で便宜をはかる用意がある。投資コストを軽減し外国企業が輸出力を強化できるよう、法律面の整備や投資手続きの改善を続ける。具体的には(外国企業向けの割高な)通信料金や個人所得税を軽減する。土地使用をめぐっても疑問が生じないようにする。

 経済開放策であるドイモイ(刷新)政策を導入して15年になるが、ベトナム経済は依然、低いレベルにとどまっている。経済発展には外国企業からの投資が必要だ。減少傾向だった対ベトナム投資は回復の兆しをみせており、(このような施策を進めることで)再び増加に転じるだろう。

 ベトナムは2020年までに近代的な工業国になることを目標に掲げている。今年から2010年までの10年間はそのための基盤作りの時期となる。

 ポイントは社会主義の方向性を持った市場主義経済体制の建設だ。金利・為替レートに対する市場原理の適用や証券市場の拡大をめざすが、マクロ経済の不安定化を避けるため、国情に沿った条件で進める。開放政策の進む中国の施策も、ベトナムに適用できるものは導入していく。

 20世紀末の数年間、通貨下落に端を発した経済危機がアジアを襲った。各国は立て直しを進めているが、堅実な発展のためには、さらなる経済構造改革が必要だ。それには域内だけでなく、アジア以外の国々との協力が不可欠だ。

 ベトナムは二国間・多国間で関係を拡大させている。東南アジア諸国連合(ASEAN)自由貿易地域(AFTA)や米国との通商協定をにらみ、関税率の引き下げを進めている。

 日本は一番重要なパートナーだ。人的交流や日本との直行便の増便など、関係を今後も拡大させたい。小泉首相をリーダーとする政府の改革により、日本経済が早期に立ち直り、アジアの発展を促す役割をさらに果たすものと信じる。

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