「アジアの未来」
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日経アジア賞
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8日の概要
森下 洋一氏
松下電器産業会長
 国際分業網強化を

 中国の経済的な成長はめざましい。電機業界をみると、テレビやエアコンなどはいずれも中国が世界一の生産・消費国であり、こうした巨大な需要と供給力がアジア経済に大きな影響を与える。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国では海外からの投資の減少、中国製品との競争激化などの影響が表面化するだろう。日本の場合は中国への生産シフトや、中国製品の輸入急増による国内産業への打撃が大きくなっている。我々はこうした事態を脅威ととらえず、長期的にはプラスになるものとして受け止め、対処すべきだ。

 東南アジア諸国は貿易自由化で域内協力を加速し、競争力強化に取り組む必要がある。また、なにより日本が安定成長軌道に戻らなければならない。国内市場の開放や規制緩和を通じた構造改革を迅速に進めることが求められる。

 一方、中国には関税引き下げや外資規制の緩和、知的財産権の保護など、世界の貿易ルールを重視した経済運営を強く求めていく必要がある。

 アジアには現在、世界的な生産基盤が構築されつつある。国際的な分業・補完のネットワークが競争と協力を通じて高度化すれば、アジア全体の活力維持と発展につながる。

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