インドネシア、民主主義へ試行錯誤
インドネシアでは1997年に始まった経済危機を契機に、国中に混乱が広がっている。弾劾の瀬戸際にいるワヒド大統領は封建的、家父長的で、批判に慣れていない。反対意見を言う人はすべて敵とみなす傾向がある。
大統領は批判に前向きに対応すれば生き延びることができるが、いまの姿勢を続ければ2004年までの任期を全うするのは難しいだろう。
インドネシアでは独立後、スハルト元大統領がジャワ的、軍国主義的な手法で30年以上権力の座にあった。民主的な大統領選挙が実現したのは、ハビビ前大統領時代の99年になってからだ。
現在、民主主義を確立するための試行錯誤を繰り返している最中だ。今後、教育水準が上がれば政治への参加要求が高まり、国民はますます大きな声をあげるようになる。
ただ、学生らは混乱の解決策を探る姿勢をみせている。98年のジャカルタ暴動のような事態は起こらないだろう。
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