「アジアの未来」
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アジアの未来
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日経アジア賞
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7日の概要
閔維方(ミン・ウェイファン)氏
北大方正集団公司董事長(中国)
 産学連携、最も重要

 ITは経済成長の推進力で、ITの有効活用は国家や企業が発展する上できわめて重要だ。ただ現状は国や地域・業界・企業で大きな格差がある。一部の先進国ではすでにITの開発と応用が一般的だが一方で深刻なデジタルデバイド(情報化が生む経済格差)の問題も起きている。日本や台湾などアジアは近年、急速に発展したが、まだ米国などに比べると遅れている。

 最も重要な課題はIT部門の競争を促す政策上の枠組みを作ることだ。アジアがほかの地域に追いつくためには基礎研究から教育訓練、研究開発、製造、商品化までを統合することが必要で、企業と大学の間に密接な協力関係を築くべきだ。大学の強みは長期的な研究や教育訓練。企業の強みは研究開発、製造、商品化だ。それぞれの得意分野をうまく統合し、情報活用のサイクルを短縮していくことが重要だ。

 北大方正集団は北京大学の技術を基盤に1986年、独立法人として誕生。大学の研究業績と十分な教育を受けた卒業生を継続的に受け入れている。

 92年には5億元(約75億円、1元=約15円)だった事業規模が2000年には100億元以上になり、中国最大の産学連携ハイテク企業に成長した。

 北大方正がすべてのIT企業の理想モデルだというつもりはない。ただアジアのIT産業は大学との協力関係を強化すべきである。情報や知識が新たな世界経済の動力源であるなら大学は21世紀の主要動力源の一つだからだ。アジアのIT産業には戦略が必要である。

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