「アジアの未来」
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7日の概要
晩さん会における小泉首相あいさつ(全文)
マハディール・マレイシア首相閣下、
フン・セン・カンボディア首相閣下、
ファン・バン・カイ・ヴィエトナム首相閣下、
御列席の皆様、今晩は。

 ただ今、御紹介に預かりました小泉純一郎です。

 私からは、アジア諸国との関係とアジアの未来について、私の基本的な考え方をお話ししたいと思います。

 私は、ちょうど1ヶ月前に初の所信表明演説を行い、その際に、「日本が平和のうちに繁栄するためには、国際協調を貫くことが重要です。二度と国際社会から孤立し、戦火を交えるようなことがあってはなりません。」と述べました。

 この決意と信念を実現するには、日米同盟関係を基軸とした、近隣諸国との友好関係の発展が何よりも重要です。そして、アジアにおいては、その多様性を前提にした二国間及び多国間の重層的な対話と協力を進めていく必要があります。

 まず、最も近い隣国である中国・韓国との関係については、今後とも、友好の大局に立ち、さらに緊密な関係を維持・発展させていかなければなりません。

 多様性を維持しつつ地域協力を発展させてきたASEAN諸国については、東アジアの平和と繁栄のパートナーとして、協力関係のさらなる強化に努めます。

 また、ASEAN地域フォーラム、アジア太平洋経済協力、ASEANプラス3といった地域の枠組みにも積極的に参画していきます。

 アジアは、過去10年間、最も経済発展を遂げた地域です。同時に、通貨・金融危機にも見舞われました。危機再発を防止し、回復を確実にするため、各国のたゆまざる経済構造改革努力と国際社会の一層の協力が必要です。中長期的に見て、アジアが世界経済の重要な核であり続けることは間違いないと思います。危機をバネに改革が進むことを確信しています。

 私も、「構造改革なくして景気回復なし」との信条の下、単に経済・財政分野のみならず、社会保障・行政等の分野についても聖域を設けず、強力に改革を進めております。私は、改革に取り組む姿勢をはっきりと示すことが、不況にあえぐ日本経済が自信を取り戻すための最初の道標(みちしるべ)だと考えております。

 我が国の改革の波が、アジア各国における改革の波と呼応し、大きなうねりとなって、アジア全体の改革へとつながっていくことを期待しています。

 地域での友好・協力関係に向けた努力と、経済面での「改革」とは相互に無関係ではありません。地域の平和と安定が経済改革推進の前提であり、経済発展が地域の平和と安定を促進します。我が国が第2次世界大戦後享受してきた平和と繁栄は、まさにそうした土台に立ったものでありました。

 ただし、これまでの平和と安定は、あくまで地域の不安定要因を何とかコントロールしてきた結果であると思います。そして、今後とも安定を維持する努力を重ねていくことが、我々の大きな課題ではないでしょうか。そのために、本日御列席のこの地域の皆様とともに、そして米国を始めとするこの地域の外の主要な諸国とも力を合わせていきたいと思います。

 ありがとうございます。

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