南北正常化へ日本は支援を
2000年6月の南北首脳会談が、二度と戦争を起こさないとして南北共同宣言を出したことは朝鮮半島のあり方を本質的に変えた。南北朝鮮をまたぐ鉄道、京義線の連結事業には人的、物的交流という観点はもちろん、朝鮮半島が大陸と海洋を結ぶ拠点となる点で特別な意味がある。
3回の離散家族訪問団の往来を通じて約3600人が再会を果たし、南北分断後初めて離散家族間での手紙のやり取りが実現した。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は国際社会への参加に積極姿勢を見せている。ほとんどの欧州連合(EU)加盟国と国交を結び、経済使節団を中国と米国に送った。特に金正日総書記が年初に中国の上海を訪問したことは、本格的な変化と開放に乗り出したことの表れと解釈できる。
最近の小康状態に差し掛かったような南北対話の状態は、南北双方が一息つく調整段階にあることを示している。南北の半世紀におよぶ敵対心と不信感の強さからすれば必然的なことだ。
朝鮮半島の平和と和解、協力は引き返すことのできない流れとして定着してきている。金正日総書記のソウル訪問を成功させ、実質的な和解と協力を確固としたものにしなくてはならない。
韓国政府は国防力の強化と韓米同盟関係を軸に、米国、日本と緊密に協力していく。中国、ロシアと協調体制を維持することで、各国が支持できる方向で平和と協力を進める。
日本政府には特に、日朝国交正常化に取り組み、南北関係を支援してほしい。民間レベルでもこの問題に関心を持ってもらいたい。
南北朝鮮の問題は朝鮮半島に限られた問題ではない。その平和的解決は北東アジア地域の安定のための基礎となる。
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