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タノン・タイ首相経済顧問 |
タイのタノン・ビダヤ首相経済顧問(元財務相)は7日の講演で、米国の景気減速について、黒字だったタイの貿易収支がゼロになるなど「国内経済に大きな影響を及ぼすだろう」と述べた。
タノン氏は、同国では好調な対米輸出による貿易黒字が、順調な観光収入とともに「1997年の経済危機以降、経常収支を好転させ外貨準備を引き上げる原動力になってきた」と指摘した上で、米経済減速の影響で国内経済が低迷しかねないとの懸念を示した。
処理が遅れているタイ国内の不良債権問題については、「金融の活性化が遅れれば、成長率は2.5%以下になってしまうだろう」と語り、小口債権の早期処理などが不可欠だと強調した。最近の円安傾向に関しては、「タイ・バーツ安も進めば、欧州への輸出が増えるのではないか」と楽観的な見方を示した。
通貨危機の防止策としては、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本・中国・韓国が2000年に合意した、各国間の通貨交換(スワップ)協定の拡大をさらに進めるべきだと主張した。
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