「アジアの未来」
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中国の継続的発展必要――辜・台湾工商協進会理事長
講演する辜濂松・台湾工商協進会理事長
 8日、都内のホテルで開幕した国際交流会議「アジアの未来」で講演に立った辜濂松・台湾工商協進会理事長は、東アジアの発展のうえで日本と中国の果たす役割が大きいとの認識を示した。日本については金融ビッグバンや円の国際化などへの取り組みを評価。一方、「中国の役割は(現時点では)不明りょう」と述べ、中国が東アジア地域で盟主的な役割を果たすには、「国民に自由と繁栄を与え、継続的経済発展を続けるしかない」と強調した。

 辜氏は講演の冒頭、東アジアの現状認識について「東アジアの奇跡に終わりはない」と述べた。1997年の通貨危機以降は一時的に経済が低迷したが、「輸出が既に通貨危機以前のレベルを上回っていることなどから見る通り、1999年以降回復のテンポは速まっている」と指摘した。

 中国に関しては、地域間の所得格差が広がっていることや政府債務の増大、腐敗などの問題が山積していることを挙げた。世界貿易機関(WTO)への加盟を果たせば国有企業の縮小や閉鎖が顕著になるとの見方を示し、「民間企業育成など、中国政府に対する改革圧力は増している」と述べ、改革への期待を示した。中国政府にとっては、「改革を先送りしたり軍事力に焦点を当てるという選択肢も残されている」としながらも、東アジアの政治的安定および経済発展にとっては、「中国が地域間の協力を強めるとともに、経済開放と政治改革路線を軌道に乗せることが必要」との指摘した。


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