「アジアの未来」
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9日の概要

ピーター・イップ氏
チャイナドットコム最高経営責任者(香港)
 ネット財団創設を

 アジアはインターネットが経済発展で重要な役割を担う時代を迎えた。特に中国では沿岸部と内陸部の貧富の差を埋めるツールになる可能性を秘めている。

 ネットの普及には政府の協力が必要だ。当社が発足した1990年代半ばはネットの重要性を認識する当局者がほとんどいなかったため、啓もう活動に注力しなければならなかった。本格的に発展したのは朱鎔基首相の支持を得てからだ。

 中国が世界貿易機関(WTO)に加盟すれば多くの外国企業が進出してくるだろう。中国の企業は情報技術(IT)で勝る外国企業との困難な競争を迫られる。だからこそ中国は他の国々よりネット技術の普及を必要としている。

 北京の清華大学で講演した際、聴講する学生たちの目に「自分のビジネスを興そう」という希望と興奮を読みとることができた。こうした学生たちの熱気は10年前にはなかった。

 ネットはグローバルなもので、グローバルな経営でなければ成功できない。国外の事業を通じて異文化を理解することは極めて重要だ。広くアジア全体でネット企業やユーザーの権利を守るため、統一した声を発信する「アジアインターネット財団」といった組織を設けるよう提案する。

 森喜朗首相が電子商取引などの分野でリーダーシップを発揮する意向を表明したことにとても勇気づけられた。日本はワイヤレス(無線)技術で欧米の先を行く。韓国ではインターネットのコンテンツやオンラインショッピングが発達している。我々は両国から学んでいきたい。


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