「アジアの未来」
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9日の概要

シサワット・ケオブンパン氏
首相(ラオス)
 対外開放政策に力・インフラ整備など支援を

 アジアの大部分の国・地域は何世紀にもわたって植民地となり、繰り返し戦争の被害を受けてきた。ラオスもほぼ1世紀の間、同じ運命に陥った。こうした歴史は国家独立への愛着心を深め、21世紀にアジアが世界的役割を担うための協力体制を促進する原動力となろう。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)という一つの所帯を形成したのは、(この地域の各国が)経済的相互依存に至る最初の重要なステップだった。日中韓を加えた「ASEANプラス3」が協調体制構築に動き始めたのが、第2のステップ。そしてより重要な第3のステップは、ASEANと先進国が経済発展の格差解消に向けて真剣に努力することだ。

 ラオスは発展途上にあるが、こうした努力に貢献する国力は持っている。重要なのは、ラオスが農林業を工業やサービス業とリンクさせ、市場経済システムに基づいて対外開放政策をとっていることだ。

 ラオスは86年以降、集中経済体制から市場経済に転換した。現在600以上の外資によるプロジェクトが対ラオス投資の登録をしている。しかし、高度な専門技術を持つ人材が少なく、道路などインフラ整備が不十分という困難もある。

 ラオスの実情を踏まえ、(1)加工産業の発展と関連づけた熱帯地域での農業開発(2)水力発電ダムの開発(3)交通インフラの整備(4)観光産業の育成――への支援を友好国に求めたい。


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