第15回アジアの未来

討論するサラ・クリフ世界銀行東アジア・大洋州地域戦略・業務担当局長＝写真　小川望

　世界銀行のサラ・クリフ東アジア・大洋州地域戦略・業務担当局長は21日午前、国際交流会議「アジアの未来」（日本経済新聞社主催）で討論し、金融危機は「東アジアでの貧富の差を小さくする大きな機会だ」との見方を示した。格差を縮小することで社会的な連携が強化され、金融危機からの回復を促すとしている。

　クリフ世銀担当局長は、「景気刺激策を使いつつ、規制などの制約をなくし、社会保障政策や教育分野で短期的な効果を積み上げるべきだ」と述べた。一方で、「東アジア地域内の支援で地域内の消費を拡大しても、消費規模では米国に及ばない。世界全体の回復なくして、この地域の回復も見込めない」と指摘した。