「アジアの未来」
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二階俊博
経済産業相

経済回廊、官民で実現

 東アジアの域内総生産は世界の4分の1にあたる12兆ドル、人口は32億人と世界の約半分だ。東アジア版の経済協力開発機構(OECD)ともいうべき「東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)」の設立を提唱したのは、東アジア全体で政策協調を進めるための中核機関が必要と考えたからだ。

 現在の金融・経済危機を克服するためには、アジアが成長センターとして発展し、世界の成長を支えていく必要がある。麻生太郎首相はアジア全体で成長し、アジア全体で需要を創造することを提唱している。

 ERIAでは昨年夏から、「東アジア産業大動脈構想」という広域インフラ開発を進めようとしている。日印両国で推進しているデリー・ムンバイ産業大動脈構想の経験をモデルとして、東アジア全体で広域インフラ開発を進めようという構想だ。メコン川流域とインドをつなぐ経済回廊などを検討している。

 実現には産業振興や貿易投資促進を一体で進めることや、民間資金を活用した仕組みが重要だ。インフラ整備には政府開発援助(ODA)や公的資金を活用するが、アジア域内や域外の民間貯蓄を振り向けていく仕組みも必要だ。エネルギーや環境面での各国の協力も重要。日本の優れた環境・省エネ技術を積極的に活用していきたい。(環境分野を軸とした)地域統合には日本も積極的に取り組むべきだ。

 アジアでは中間層が急速に育っている。世帯可処分所得が5000ドル以上の人口は2008年は8億8000万人と、1990年の6倍強に拡大している。アジアはぼっ興する中間層の集合体だ。特に若者の間では日本のアニメ、ファッションや韓流が流行している。アジアに豊かな消費文化が花開き、世界に向けてアジアの消費文化を発信する日が遠からずやってくると確信している。

[5月23日/日本経済新聞]

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