第6回　アジアの未来

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アジアの改革減速を懸念・スカラピーノ米カリフォルニア大名誉教授

討論会で発言するロバート・スカラピーノ・カリフォルニア大学名誉教授

　ロバート・スカラピーノ・カリフォルニア大学名誉教授は８日午後、都内のホテルで開いた第６回国際交流会議「アジアの未来」（日本経済新聞社主催）に出席し、アジア経済が回復基調を見せている点について「憂慮しているのは必要な改革が一部分しかない。（改革が）減速したり止まったりする可能性がある」と指摘した。日本で系列を重視した金融再編が進んでいることや、韓国での財閥改革の様子を挙げ、情報技術による「ニューエコノミー」の必要性を主張した。スカラピーノ名誉教授は「昔の秩序に戻ることはできない」と述べ、景気回復の中で継続して構造改革を進める必要性を強調した。
　これまでのアジア諸国は金融行政などでの護送船団方式を背景に「透明性が相対的に低かった」と指摘。こうした経緯を踏まえると開放的なグローバル経済への対応が不可欠との見方を示した。