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マレーシア、固定相場で経済回復・マハティール首相
講演するマレーシアのマハティール首相
 都内で開いている第6回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)は2日目の9日午後、マレーシアのマハティール首相が講演した。首相は、マレーシアが「国際通貨基金(IMF)の支援を受けることなく、経済回復を達成した」と強調し、回復を達成するうえで固定相場制に移行した政策は正しかったとの認識を示した。「第2次大戦以降の20年間、世界は固定相場制の下で持続的な高度成長を達成した」と指摘して固定相場制を擁護したうえで、「マレーシアはシステムよりも成果に関心があり、固定相場制の利益を享受する」と語った。

 マハティール首相は、「変動相場制は貿易黒字国の通貨高を引き起こす」と述べ、円借款を導入したマレーシアの対外債務も、円高により膨張したと指摘して変動相場制への懸念を示した。また、円高で日本の工業製品の価値が上がり、「貧困国の不利益になった」点も変動相場制の欠点との見方を示した。

 首相は「アジアは国際的金融制度を監視し、欠陥があれば指摘するべきだ」と述べ、経済フォーラムなどを通じたアジア諸国の結束を呼び掛けた。そのうえで、「21世紀をアジアの1世紀にすることもできるが、私はそれを望んではいない。全世界が繁栄する1世紀にしよう」と語った。


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