第6回　アジアの未来

速報ニュース

円の役割強化を――胡・中国科学院国情研究センター主任

　第６回国際交流会議「アジアの未来」（日本経済新聞社主催）は８日午後、「東アジアの安定と中国の役割」と題した討論を行い、為替変動に対する懸念が中国、台湾双方の出席者から表明された。胡鞍鋼・中国科学院国情研究センター主任は、通貨危機を経た日本の円の下落は「中国にプレッシャーだった」と振り返り、「円の役割をもっと強化するべきだ。人民元とも密接な関係を構築しなければならない」と訴えた。胡氏は日本、中国、韓国を中心に「東アジア（の通貨安定）への協力が不可欠」と強調した。
　胡氏は日本の対中援助には中国や周辺地域の環境保護の視点が不可欠であることも指摘し、「長期的な戦略の見方と協力が必要だ」と述べた。これに対して台湾側の出席者、呉栄義・台湾経済研究院院長は「機会があれば地域協力を強化したいが、いろんな地域協力に参加できない」と述べ、為替安定の努力を進める国際協調の話し合いにも参加できないことに不満を示した。呉氏は「台湾にアジアの未来を担えるチャンスを与え、日本も協力して欲しい」と語るとともに、中国とも対話を重視し「意見の不一致も解消したい」と意欲を示した。