世界情報通信サミット2000
トップページ会議日程ネット会議スピーカーフォーラム企画意見投稿ENGLISH
ネット会議
セッション1 -「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス 」
モバイル・デジタルで伸びる新ビジネス
From: 関口 和一
.Subj: 【1】コーディネーター 〜 モバイル・デジタルで伸びる新ビジネス
デジタル放送・デジタル家電【44】会津泉
メーカーさんが、仕様をオープンにし、インタフェースを公開・共用にしてくれれば、すぐにでも、やりたい人が製品化できると思うけど、家電はなかなかそうならないですよね・・。そこに壁がある・・。
はい、デジタル家電の落とし穴を見たような気がいたしました。私個人としては、日本の家電メーカーに残されているのは、日本がデジタル家電のリーダーになることだと思いましたが、会津さんのご指摘を拝見していると、日本の家電メーカーがアナログ時代と同じようなアプローチをしているのかな、という思いもいたしました。

日本が競争力を取り戻すには、やはり家電IPのようなものをオープンな形で広めていくようにすることでしょうか。

そこで、ラップアップに向け、次のテーマで皆さんのご意見をお願いいたします。

(1)「i−モード」は日本型ECの大きな起爆剤になるか。その場合の解決すべき問題とは何か。

(2)デジタル家電の本命とは何か。「ウェブTV」のようなセットトップボックスは日本で成功するのか。

(3)モバイル・デジタルで伸びる新しいビジネスモデルとはどんなものか。

(4)BSデジタル放送、BSデータ放送に期待するものは何か。インターネットとの乗り入れはどうすべきか。期待できるサービスはどんなものか。

これまでの議論と若干、だぶり感はあるかとは思いますが、ネット会議として、もっとたくさんの方のご意見をうかがいしたいと思います。

モバイルについては、若者の行動様式やプライバシー、ドコモの優位性など、様々な意見も出ております。何が問題で、どう解決すべきかをお尋ねしたいと思います。

デジタル放送については、池田さんやマイクロソフトの古川さんから活発なご意見をうかがいましたが、メーカーのご担当者の皆様からも、実際のビジネスや商品開発の現場からのご意見をうかがえればと思います。

From: 南雲 修
.Subj: 【2】iーモードの課題点
【1】関口和一
(1)「i−モード」は日本型ECの大きな起爆剤になるか。その場合の解決すべき問題とは何か。
「iーモード」コンテンツ事業者として日頃、考えている観点から発言させて頂きます。

課題点

1.パケット通信の速度
現在の9600bpsに見合ったコンテンツを提供していますが、この制約から
(1)コンテンツの表現、情報量が制約を受ける
(2)当社のサービスで単純に株価を照会するようなサービスでも、速度が遅いというクレームがあります。
これは、日経ホールでオンライントレードセミナーを実施した時に、ある会社の専用端末(ポケベルみたいの応用製品)と比較した場合に確かに3倍くらい応答時間が違いました。(念のため、その時の設備稼動状況をチェックしましたが、まったく問題はない場合でした)

2.当社のサービスは、入力は数字が多いので、iーモードにぴったりのサービスですが、文字が必要なコンテンツはつらいと思います。
キーボードをオプションで提供できればと思いますが(オプションで既に提供されているかもしれませんが)

3.セキュリテイの向上
(1)現在の技術でも、通信時のセキュリテイは確保されていますが、SSLの採用も必要と思います。
(2)なりすまし行為の防止対策現在は、iーモードの所持者が本人であることの最大の証明ですが、パソコンと違って携帯電話は紛失しやすいので、 その対策が必要と思います。

4.iーモード版検索エンジンの充実
現在は、まだ、このへんのサービスは少ないと思いますが、充実が必要と思います。ただし、この種のサービスは広告(バナー広告等)で売り上げを確保するのが必要と思いますが、iーモードの小さな画面でどうするのかが最大の問題と思います。

5.携帯電話にiーモード的機能が標準化された場合にドコモのシェアは50%程度なので、IDO,Jフォーン等もコンテンツ提供が必要と思いますが、それぞれ、規格が異なるので、コンテンツ提供者は、かなり苦しいと思います。

以上、色々書きましたが、iーモードの将来性は非常に大きいと思います。新聞報道では、携帯電話各社のiーモード的機能を合計すると既に、昨年末で、500万台以上とのことで、パソコンベースのインターネット人口は約1700万人という点からも、すごいことになっていると思います。

また、iーモードは電話機のように見えて、裏はインターネットですけども、気がついていない人が意外に多いように思えます。
これは、パソコンの知識がないとインターネットが使えませんが、iモードは簡単に使えます。それに値段が安いのがいいと思います。(501系は4000円程度が実売、502系で14000円程度、パソコンは10万円)

From: 飯坂 譲二
.Subj: 【3】i−モードは起爆剤になるか
【1】関口和一
「i−モード」は日本型ECの大きな起爆剤になるか。その場合の解決すべき問題とは何か。
結論は起爆剤にはならないと思います。一億総PC投資家になる場合は別です。自分で商品を手にしてみないと気が済まない消費者の行動様式が継続する限り悲観的でしょう。

オンライン・カタログの整備、販売会社に対する信頼性とイメージ、気に入らないものの返却の容易さ、支払いや決済の手軽さ、配送のトレース情報の提供など、機器以上に整備しなければならないと思います。中途半端に普及させるとあつものに懲りた人が増え、かえってECの普及の妨げになると危惧します。
【1】関口和一
日本の家電メーカーに残されているのは日本の家電メーカーに残されているのは、日本がデジタル家電のリーダーになることだと思いましたが、会津さんのご指摘を拝見していると、日本の家電メーカーがアナログ時代と同じようなアプローチをしているのかな、という思いもいたしました。
日本が競争力を取り戻すには、やはり家電IPのようなものをオープンな形で広めていくようにすることでしょうか。
(中略)
体質を感じました。米国ネットデイは基本的には民間発ですし、政府もそうした民間の動きをサポートする方向で政策を進めています。問題は政府、国民の両方にあるでしょう。
同感です。

ネットの構築をハードや通信網にとらわれすぎて、それが出来たら、何をやるのか、教育なりビジネスをどのように変えていかねばならないかという視点が欠けているように思えます。

最近、JALがネット予約で割引を始めるにあたってJTBが同じ割引が扱えるように申し入れたことは、JTBの発想が過去のビジネス・パターンの延長の域を出ていないよい例です。

コンピュータを使うスキルだけの教育はそんなに時間のかかることではないので、一体何をしようとしているのか、見えてきません。家電メーかとしては全国の教室に設置されるかもしれないディジタル家電TVの数を想像しているとおもいますが、それ以上のことが私には見えないのです。

From: 佐藤 英丸
.Subj: 【4】i−Modeはこちらでも注目
【1】関口和一
「i−モード」は日本型ECの大きな起爆剤になるか。その場合の解決すべき問題とは何か。
「i−Mode」があれよあれよと言う間に、会員数400万人を超えました。 つまり370万人近くの会員を有するNiftyを、サービス開始一年もかからずに抜き去ってしまいました。 会員数では日本一のISPになってしまったわけです。 また会員数でランクをつけるとすると、日本で50万人のネット接続会員を有するドリームキャストが7位に入ってきます。 つまりトップ10に、Non−PC Platformが二つも入ってきて、そのうちの一つが第一位という状況です。 

NYで世界各国のIT関係者と毎日ミーティングをしてますが、上記の現象は、日本特有の現象のようで、この話題で盛り上がってしまいました。 こちらでは、Web Cellphoneという言い方をしますが、日本の「i−Mode」はこちらでも注目の話題です。 ヨーロッパの連中もこの携帯電話を介してのインターネット接続は注目しており、今回のキーノートのノキアの会長さんも、「ヨーロッパでは2005年までに、インターネットの最も多数のプラットフォームは携帯電話になる」とおっしゃっているようで、日本と欧州が、この携帯電話のネット接続はドライブしていくような気がします。 米国は、ADSLやケーブルモデムなどが日本や欧州よりも先行しており、この件、つまりワイアレスウェブでは米国はだいぶ遅れているようです。

ちょっと話が脱線しましたが、「i−Mode」が爆発的に普及したのは、やはり値段の安さが大きな要因だと思います。 それと、デバイス自体がだれもが親しみのある電話であるということでしょう。 このまま順調に契約者が伸びて、1000万人近くに」なるようであれば、BtoC e-Commerceの端末として、充分に機能を果たすような気がします。 WAP対応になっていないとかいろいろな批判もあるようですが、現状で400万人の契約者がいるという事実、そしてまだまだ伸びそうな事を考えると、可能性は充分にあると思います。 小さな画面で、テキストメッセージだけで、どうやって物を売ったり買ったりするか、というインターフェースが上手くできれば、日本型あるいは日本特有な形の電子商取引の起爆剤になる可能性はあると思います。

ソニーのPS2も来週出ますね、PS2を使ってのインターネット接続が加わってくれば、セガのドリームキャストも含めて、TVゲームデバイスも電子商取引の端末として有望になってきます。

電子商取引を安価なデバイスで安心してできるとなると、「i-Mode」はデバイスとしてマジョリティーをとる可能性は大きいと思います。

From: 中島 洋
.Subj: 【5】i−modeは電子商取引の主役の一つ
i−mode の今後の機能について、僕が感じているのを列挙して、ご意見をうかがいたいと思います。佐藤さんと同様、i−modeは電子商取引の主役の一つになるという意見です。

モバイルの機能を僕は以下のように考えています。
@ ビジュアルフォン
   通信機能+画像機能+FAX機能代替
A GPS
   移動体+位置特定可能
B 電子手帳代替
   IC機能拡張+一つですべて
   ⇒ ID機能(機能強化)も保有

この@、A、Bの複合ないし、融合で発展するのではないか。
もう少し具体的に言うと、

ビジュアルフォン機能とはこんなことに使われる。
通信機能+画像機能+FAX機能
@ テレビ電話(⇒ID機能入力)
A インターネットの送信・受信
B チケット購入、物品購入
C 業務連絡
D 商品情報、相場情報
E 地図情報と地図付加情報

たとえばFAX機能の代替として事例を挙げれば花屋さんから生花卸への注文システム
@ 従来 FAXで相場情報
      ⇒ 店頭でFAXで発注
A 新システム 携帯で相場受信
      ⇒ 出先で受信、その場で発注
FAXで行っていた業務の大幅見直しが起こると思います。

GPS機能では移動体+位置特定可能という特徴から
@ 外出中の担当者に情報提供
 相場情報、緊急指示、日程管理(サーバー連動)、移動追跡
A 地域特売情報
 一定地域の一定ユーザーに特売情報、近隣の施設案内(地図+付加情報)

電子手帳代替としては機能拡張+一つですべて
@ 画像でID  顔、虹彩、指紋、バーコード、、、
 ネット購入の個人認証
A 名刺情報
 ネットで送信、パソコンアドレス帳自動登録
B 日程管理
 サーバー、端末、アラーム、行動指示
C 購入商品の記録、管理、受け取り
 領収書、コンビニで受け取りの引換証
D 定期券、チケット情報
 入場の際、無線で認証
E クレジットカード、キャッシュカード情報
 ATM連動、ポイント蓄積、電子マネー管理

と言ったものが考えられると思います。

セガがスウオッチと一緒に開発した時計を使った各種機能も i−modeに一体化して載せられる機能です。
しばらく、i−modeによる業務改革の手法のアイデアの洪水になると思いますが、「携帯」に傾倒し過ぎですかね?

From: 池田 信夫
.Subj: 【6】日本の周波数利用
私はオヤジなのかもしれませんが、携帯電話のメールやウェブの機能は、ほとんど使ったことがありません。あの複雑なボタン操作は、ポケベルで育った世代には平気なのかもしれませんが、一度でもまともなキーボードを使った人には耐えられないし、9600bpsでは情報端末としては限界があります。

無線がまともなインフラになるには、少なくとも数百kbpsの帯域が定額(数千円/月)で各家庭に入り、家電製品がみんなIPでつながる必要があるでしょう。しかし、それは意外に簡単ではありません。日本の電波の割り当ては世界一過密で、携帯に使える周波数が次の世代(G3)でほとんどなくなってしまうからです。

日本の携帯電話の使っている周波数は、全部あわせて150MHzですが、テレビは370MHzをわずか数チャンネルで使っています。これをリストラして、電波を効率的に利用すれば、G4では20-30Mbpsも技術的には可能だといわれています。それを「区画整理」するためにデジタル化しようとしたのはよかったのですが、日米とも既得権を優先するという誤った方法をとっため、暗礁に乗り上げてしまいました。このままでは、サイマル放送で電波をよけいに食う結果になります。

テレビだけでなく、日本の周波数利用は、鉄道無線や防災無線などが既得権化し、携帯の何万人分もの帯域を虫食い状に占拠しているため、非常に無駄が多い。国民の共有財産である電波を有効利用するには、このへんで「ビッグ・バン」をやって、すべてオークションにかけるぐらいの荒療治をしないと、日本のモバイルもインターネットも行き詰まるでしょう。

From: 関口 和一
.Subj: 【7】コーディネーター 〜 日本の周波数利用
池田さん、再度の登場ありがとうございます。中島さん、佐藤さん、佐々木さん、登場をお待ちしておりました。松瀬さん、中野さん、飯坂さん、南雲さん、ご意見ありがとうございます。

終盤に入りましたので、私も参加者として個人的な意見を述べさせていただきたいと思います。

【6】池田信夫
テレビだけでなく、日本の周波数利用は、鉄道無線や防災無線などが既得権化し、携帯の何万人分もの帯域を虫食い状に占拠しているため、非常に無駄が多い。国民の共有財産である電波を有効利用するには、このへんで「ビッグ・バン」をやって、すべてオークションにかけるぐらいの荒療治をしないと、日本のモバイルもインターネットも行き詰まるでしょう。
この点はまったくの同感です。私も今から30年くらい前にアマチュア無線をやっており、周波数の帯域表を見るのを楽しみにしております。

米国でのデジタル化というのは、無線の地上波放送を有線化し(CATV)、有線の電話を無線化し(セルラー)、さらにもう一度、地上波放送を無線化する(デジタル地上波)という順番で、入れ替えをすることによって電波の有効利用を図ろうという長期的な戦略があります。

その点、日本の場合は、既得権益が先行し、こういったリシャッフルができない状況にあります。今度の地上波放送でも、帯域が変わることで消費者(実際には放送局?)に負担がかかるという議論が注目され、本来のデジタル化の目的を見失っているような気がいたします。

消費者に迷惑がかかるというのは、言い換えればビジネスチャンスでもあるわけで、その結果、消費者が納得のできる高付加価値サービスを提供できるようになれば、コストは十分に吸収できるはずだと思います。

池田さんがかねて主張しているように、帯域をモバイルに開放するというのは賢明な策に思えます。現行の9600bpsでは、ほとんどECの実用にはなりません。「ビッグバン」は必要ではないでしょうか。

ほかの皆さんはどうお考えでしょうか。

From: 会津 泉
.Subj: 【8】使いやすいインタフェースの開発
いま、パソコンを買う理由の最大のものは、ネットを使う、ということですね。モバイルにしても、同じことが起きると思います。

そのためには、メーカー、あるいは特定少数のエンジニアが、他人のために「使いやすいインタフェース」を開発してあげる、それによって、自社が有利になる、あるいは日本の家電業界が優位に立てる、といった、一時代前の発想ではなく、だれもが自由に自分の望むものをつくったり考えたりできるための仕組み、国領さん流にいえばオープン・アーキテクチャーを実現し、それを運用していく仕組みを協働してつくり発展させることが大事だと思います。そこに、日本の企業とか、アメリカの企業といった、国家単位での発想はたぶんなじまないと思います。

IETF、W3Cなどの取り組みが良い参考事例だと思います。だれでも、<やる気>さえあれば参加できる、その代わり、オープンな議論に徹底して付き合わないといけない場。

それと、いまのiMODEは、ハードがオープンになっていないところが問題だと思います。PとかNといった暗号が先行し、自由にメーカーを選べないのもおかしいし。

そうしなければならない理由って、あるんでしょうか?

From: 関口 和一
.Subj: 【9】コーディネーター 〜 使いやすいインタフェースの開発
【8】会津泉
あるいは日本の家電業界が優位に立てる、といった、一時代前の発想ではなく、だれもが自由に自分の望むものをつくったり考えたりできるための仕組み、国領さん流にいえばオープン・アーキテクチャーを実現し、それを運用していく仕組みを協働してつくり発展させることが大事だと思います。そこに、日本の企業とか、アメリカの企業といった、国家単位での発想はたぶんなじまないと思います。
(中略)
それと、いまのiMODEは、ハードがオープンになっていないところが問題だと思います。PとかNといった暗号が先行し、自由にメーカーを選べないのもおかしいし。そうしなければならない理由って、あるんでしょうか?
その通りだと思います。かつて日本脅威論なんていうのがありましたが、あの時のファローズやチャーマーズ・ジョンソンの議論というのも、日本が世界を見ていないことに対する批判でした。「コンテイニング・ジャパン」では、「日本企業は自分たちとしては激しい国内競争をやっているつもりかもしれないが、そのまま国内競争を海外に持ち出した結果、つみのない海外の家電メーカーを倒してしまった」といったような指摘がなされておりました。

「日本の競争力を再び上げる」というのは目下の緊急課題だと思います。しかしネットワーク社会になると、そうした単品のスペックを競い合う方法では、世界のリーダーになるのは難しいように思われます。会津さんや国領さんがいわれているように、「日本発」にこだわるのでなく、世界のデファクトスタンダードをいかに日本企業にとって都合のいいものに持っていくことではないかと思います。

From: 古川 泰弘
.Subj: 【10】使いやすいインタフェースの開発
デジタル家電の仕様をオープンにして欲しいという点は私も同感です。昔の家電と比較すれば、チップが組み込まれ素人が電子工作して修理可能な範囲は少なくなっていくでしょう。それでも改良を望む人、更に良い製品を作り出す人を育てる環境は用意した方がいいと思います。

会議ではプライバシーの保護について話しました。デジタル家電を修理できない普通の利用者は道具として使う以外に、色々な視点からデジタル家電を語れるようになって欲しいと思います。それがデジタル家電が普及する一つになると考えています。

From: 杉井 鏡生
.Subj: 【11】日本でも世界でもECの新たな起爆剤
【1】関口和一
「i−モード」は日本型ECの大きな起爆剤になるか。その場合の解決すべき問題とは何か。
それがiモードであるか何であるかはともかく、モバイル・デジタルは、「日本型ECの」というより、日本でも世界でもECの新たな起爆剤になり得ると思います。特にこれからはBtoBがらみでの企業のインターネット利用において期待を持っています。

そのとき、デジタル・モバイルの技術面に関して必要な要素は、固定型の通信でPCを使う場合と基本的には変わらず、通信コストを安くすること、通信速度を上げること、操作性を高めること、セキュリティと信頼性を高めることだと思います。

ただし、ECが本当にその地域にあった形で発展するかどうかは、こうした技術的な課題の解決以上に、それぞれの地域におけるECへの企業の取り組み姿勢、サービスの中身、社会慣習や利用者の意識を含めた社会環境のほうが大きな課題だろうとも思います。
【1】関口和一
デジタル家電の本命とは何か。「ウェブTV」のようなセットトップボックスは日本で成功するのか。
特定の”デジタル家電”(私の考えでは”デジタル個電”)がそれだけで全てをまとめる本命になろうとしなければ、あらゆる”デジタル家電”が本命になれるように思います(禅問答みたいでスミマセン)。

そもそも”本命”を求めてそれに群がりたがるのは、日本企業の持つ創造性を縛ってきたある種のマーケティング観の罠のように思えます。

「ウェブTV」については、少なくとも今のところ「ウェブTV」であれ何であれ、居間にある共用のテレビを表示装置として使うような用途がインターネット利用のメインでないところに難点がありそうです。これはテレビの表示能力や操作性という技術的な対応では解決が難しいですしね。

From: 櫻井 豊
.Subj: 【12】日本の周波数利用
【7】関口和一
この点はまったくの同感です。私も今から30年くらい前にアマチュア無線をやっており、周波数の帯域表を見るのを楽しみにしております。
であればご存知のように,アマチュアバンドが手付かずであります。
話題の5GHz帯に200MHzもアマチュアが必要な理由がわかりません。たぶん,今すぐこの周波数で運用できる人は日本中で10人くらいでは?

百歩譲って私が活動に加わっているPRUG (www.prug.or.jp)のように,スペクトラム拡散を使ってメガビット級のインターネットアクセス技術をアマチュア無線で実現しているグループのような研究のために必要と言っても,半分の100MHzあれば御の字ではないかと思います。

2.4GHz帯は,すでに無線LANとの共用ですから良いとして,1260〜1300MHzの40MHzも,東京ですらガラガラですし,ねらい目はまだまだありそうです。
私も連盟の委員までしているアマチュア無線家ですが,こういう点は普通のアマチュア無線家と意見対立してしまいます。

From: 岸上 順一
.Subj: 【13】日本の周波数利用
【7】関口和一
米国でのデジタル化というのは、無線の地上波放送を有線化し(CATV)、有線の電話を無線化し(セルラー)、さらにもう一度、地上波放送を無線化する(デジタル地上波)という順番で、入れ替えをすることによって電波の有効利用を図ろうという長期的な戦略があります。
これは日本でもできれば池田さんのおっしゃっているように非常にいいですね。移動していないものは有線、移動しながら使うものは無線とすればクリアなのですがアメリカでの体験から一つ。アメリカにおけるCATVの普及率は60%以上とか使える人は90%以上とか言われていますが、案外多くの人が地上波をアンテナで視聴しています。それはローカルを見るためと、やはりCATVは無料ではないためだと思います。無線は受信機を除けば無料で見られる(電波代は税金?)というのが大きいのでしょう。CATVは業者が維持しているので有料にならざると得ないですね。

From: 池田 信夫
.Subj: 【14】プラットフォーム競争
私も杉井さんと同じく、「本命は何か」とか、「PC派」か「ケータイ派」か「プレステ派」か、というように、問題を「箱」の競争と見ているところに日本の家電産業の落とし穴があると思います。

家族の生活が個別化している今、一つの箱で何もかもやる必要はありません。たとえば、今でも「ラジオの聞けるテレビ」を作るのは容易ですが、だれもそんなものは使わないでしょう。むしろ端末は多様化・単機能化しています。NTTの「キャプテン」以来、くり返されてきた数々の「マルチメディア」の失敗の原因も、端末やインフラの性能ばかりに目を奪われて、魅力的なコンテンツが出てこなかったことに尽きます。

iモードの魅力は、HTTPというオープンな方式で自由にコンテンツを制作させたところにあり、プレステの成功の要因も、任天堂の閉鎖的なライセンス政策をオープンにして、開発者を味方につけた点にあります。それをハードウェアの性能の問題と取り違え、「高性能化」するためにだんだん閉鎖的なアーキテクチャになる傾向が、両者ともに見られます。

今、メディアで起こっているのは、箱と箱の競争ではなく、どのプラットフォームが最も多様で自由なコンテンツ制作を可能にするかという「プラットフォーム競争」です。その勝者がIP/HTTPであることは、今や疑問の余地はありません。
ここではコンテンツは完全にスケーラブルですから、どの箱がいいかという問題そのものが消滅し、特定の箱で囲い込もうとすることは、かえってみずからを敗者に追いやる結果になるでしょう。

up あなたのご意見をお寄せ下さい
Copyright 2000 Nihon Keizai Shimbun, Inc., all rights reserved.