世界情報通信サミット2000
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ヨルマ・オリラ
「モバイル情報社会への進化」

ヨルマ・オリラ
ノキア会長兼CEO
 最初の基調講演者であるオリラ会長は、まず「新世紀の初めにあたり全産業でデジタル社会への移行が起きており、ビジネス、生活全てに変化を与える大変革の時代に入った。ここ数年の間に『モバイル情報社会への進化』こそが個人や社会、全人類に大きな変化を起す」と、まさに今この時期に重大な「変化」が起きようとしていることを強調した。

 続いてノキアが1865年に製紙会社として創立された歴史を紹介した後、同社が1960年代に通信分野へシフトする決定を下し、90年代には同分野で世界で主導的な立場に立った判断の正しさを指摘。「情報通信分野は66年に3%の売上高だったが、92年には情報通信に特化する戦略的決定を行った。結果として今日、携帯電話とモバイル通信の世界におけるリーダーとなった」と述べた。ノキアは4週前に発表した99年決算では3期連続で売上高・利益とも記録を更新し、売上高は200億ドル、従業員は5万5000人の規模に達したという。

 89年に進出、94年前後から本格化した日本法人の活動では「NTTドコモ、日本テレコムなどと協力して、2001年にサービスが提供される第3世代携帯電話の端末、通信サービスを強化したい」とした上で、77グラムで大きさは44×111ミリという最小・最軽量のiモード携帯電話の新製品「ノキアNM502i」を披露した。そして「日本はモバイル分野では世界の最先端市場であり、ここで成功することが『インターネットを全ての人のポケットに』という我々の目標の足掛かりになる」と日本市場への意欲を示した。

 次に現代社会では「まず第一にCEOだろうが工場長だろう主席補佐官だろうが、仕事と私生活両方で、あらゆる人がネットに接続し、情報を得る機動性を持たねば」ならず、「第二には、どこでも、いつでも仕事ができる移動性が重要だ」と分析した。ノキアの調査では、ビジネスマンは1日の43%はデスクにいないというデータが出たという。「デスクにいないことが情報がないことの言い訳にはならない」と断定、「モバイル機器による不断の情報へのアクセスこそが会社の繁栄につながる」と強調した。事実、携帯電話は世界で91年に1000万台普及していたが、当時ノキアは99年に4000万台になると予想、業界から過大と批判されたという。しかし「現実には2億7500万台が売れた」。フィンランドでは世帯の2割が携帯電話のみで固定電話を持たないというが、「ここから見ても、世界では2002年に10億人が携帯電話を持つだろう」と予測した。さらに「携帯電話はインターネットにつながり、2003年にはネットと接続したPCの数を上回るだろう」と、ネットに接続した携帯電話=モバイル情報機器が今後の中心になるだろうと述べた。

 また、デジタル・デバイドの課題では「EC委員会で昨年12月にに対応するため、すべての欧州市民にネット接続を提供する目標を掲げた」点に触れた。フィンランドでは学生は全員が無料でネットに接続できるが、欧州全体で安価にネット接続、サービスを提供できる動きが進んでいることを紹介した。

 最後にノキアは「携帯端末、無線通信から今後はeCommerce、eBusiness分野に展開していく」という将来の戦略を明らかにした。しかし基本はあくまで「モバイルが中核であり、モバイル情報社会化が目標である。それはすべての人のためになり、利益をもたらすだろう」とモバイル戦略の徹底に成功があり、そこは揺るがないことを強調して講演を締めくくった。(マルチメディア編成部)

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